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2014 Fiscal Year Research-status Report

医療介入が必要な重症乳腺炎診断アセスメントツールの開発

Research Project

Project/Area Number 24593405
Research InstitutionKyorin University

Principal Investigator

長田 知恵子  杏林大学, 保健学部, 准教授 (30458393)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2016-03-31
Keywords母乳育児支援 / アセスメントツール / 乳腺炎
Outline of Annual Research Achievements

授乳期の乳腺炎は、乳汁が乳房内にうっ滞することが起因として起こると言われている。そのため、授乳中であれば誰でも起こりうる可能性のあるものである。乳腺炎から敗血症に移行し死亡するという例は極まれなことではあるが、インフルエンザ様の全身症状に加え、激しい乳房痛があることから授乳中の母親の苦痛は激しく、なかには医療者による介入が必要なケースも少なくない。これらのケースのうち、内服治療あるいは患部を切開するといった医師による医療介入が必要な場合と、看護者が乳房内から乳汁を排出させるマッサージ等のケアでよい場合もあり、その見極めが重要である。しかし、医療介入が必要なケースの見極めは、現在、客観的な指標がなく、経験則で行われている。
そこで、本研究では、医師へのリファーを見極める指標となるアセスメントツールを開発することを目的としている。これまで、経験豊かな助産師らの協力を得て、ツールの基本となるものを開発してきたが、本来必要な新人や若手看護職らによる調査がなされず、実際の臨床現場でも使用可能であるか、その臨床的有用性に課題が残っていた。
本研究においては、同一ケースを経験の異なる2人の助産師が観て、その状況をツール項目に記載し、それらの一致率を分析した。さらに今回の調査では、外的評基準として、経験豊かな助産師の診断だけでなく、乳腺炎の確定診断として用いられる乳房の超音波検査ならびに乳汁の培養を行うことで、乳腺炎診断の正確性に留意して調査した。これは、平成25年度にも調査したものの対象ケースが少なかったため、平成26年度ではさらに対象者数を増やすため、同様の調査を引き続き行い、調査結果の信頼性を高めた。また、施設間の相違が結果に影響する可能性が否定できないことから、1ヶ所の施設だけでなく複数の施設の協力を得て調査を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成26年度の調査は、平成25年度の調査の追加と施設間の違いを分析することであった。平成25年度の追加調査は、倫理審査ならびに調査施設長からの了承も得ており、おおむね順調に調査を終えることができた。
一方、平成26年度の調査は、施設間の違いを検討することであり、複数の施設および担当助産師らの協力が必要である。特に看護職は、母乳育児支援を実際に担当している看護者に限られることから、調査協力の了承を得るには当初の予定より時間を要した。さらに、了承は得られても協力看護者との時期的調整が必要となり、調査期間を延長せざるを得なかった。
以上のことより、本研究のアセスメントツールの汎用性を検討するため、平成27年度の調査も引き続き、主に施設間の違いを調査していくこととする。

Strategy for Future Research Activity

平成27年度の調査は、これまでの調査結果をふまえ、“授乳期の乳房診断アセスメントツール”の汎用性の検討をすることが目的として実施する予定である。
具体的な方法を以下に示す。
対象施設は、乳汁生成Ⅲ期(産後9日目以降)の母乳育児支援を実際に行っている施設とする。国内には母乳育児相談室は多々あることから、乱数表を用いて都道府県を決め、該当する施設に協力依頼をして調査協力の同意を得られた施設とする。協力看護者は、先行研究のデータを基に母乳育児支援歴8年目以上とし、施設長より推薦をいただく。調査内容は、平成26年度の調査同様、本研究のアセスメントツールと基本情報用質問紙の記載を主とする。乳汁培養の必要性は不要という平成25~26年度の調査の結果から、今年度の調査では主に協力母子の質問紙への回答および助産診断で乳腺炎の鑑別診断とする。また今年度の調査の主目的は汎用性の検討であることから、1ヶ所の施設ではなく複数の施設での調査を行う予定である。
得られたデータの分析として、基本属性の分析のほか、ツールの信頼性ならびに妥当性の検討を行うとともに、施設ごとのクラスター分析を予定している。さらに、施設間での医療介入のカットオフポイントの違いも検討していきたい。
平成27年度の調査のための倫理審査は既に承認が得られており、協力施設長からの内諾も得られている。今後は、協力いただく看護者の推薦を依頼し、調査に着手していきたい。

Causes of Carryover

次年度に使用額が生じた理由は、本調査の進捗が遅れたことである。
遅れが生じた理由は、倫理審査等の書類提出、受理に予定よりも時間を要したためと、調査協力施設が学生や研修生の受け入れ施設であり、その期間と調査期間が重なり調査期間の変更が生じたこと、協力者の諸事情により予定より調査に時間を要しているためである。

Expenditure Plan for Carryover Budget

本年度は、最終年度ということをふまえ、前年度に引き続き、“授乳期の乳房診断アセスメントツールの開発”過程のうち、本研究開発中のアセスメントツールの汎用性について調査することと、これまでの成果を発表することに研究費を使用する予定である。
具体的には、調査の協力を得られている施設が関東から九州であることから、その調査のための旅費と質問紙の郵送代、またこれまでの調査結果の発表のための学会参加や英文校閲費を主として研究費を使用したいと考えている。

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Published: 2016-05-27  

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