2014 Fiscal Year Annual Research Report
1型糖尿病をもつ子どもを養育する家族への看護援助指針の開発
Project/Area Number |
24593408
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
出野 慶子 東邦大学, 看護学部, 教授 (70248863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河上 智香 東邦大学, 看護学部, 准教授 (30324784)
天野 里奈 東邦大学, 看護学部, 助教 (90459818)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 1型糖尿病 / 子ども / 家族 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、1)1型糖尿病をもつ年少児の父親の療養行動に関するかかわり方、父親の役割、母親へのサポート状況などの実態を明らかにする。2)1型糖尿病をもつ年少児の父親と母親が、療養生活においてどのように協働しながら子どもを養育しているかを明らかにする。ことを目的とし、家族に焦点を当てた看護援助指針の開発を目指した。 1)の目的のために、2~8歳の1型糖尿病をもつ子どもの父親7名を対象としたフォーカスグループインタビューを実施した。その結果、父親は母親の判断を優先しながら、状況に応じて療養行動に参加したり、子どもの周囲の環境調整を行っていた。母親へのサポートとしては、可能な範囲で療養行動にかかわり、母親が自由になれる時間を捻出したり、情緒的なサポートを行っていたが、確信のないサポート感を抱いていることも明らかとなった。父親の役割としては、きょうだいをフォローしたり、将来を見据えての生活調整することであった。父親が、病気をもつ子どもだけではなく、きょうだいや母親を含めた家族全体を視野に入れながら、母親との役割バランスをうまく取れるように援助していく重要性が示唆された。 2)の目的のために、6~8歳の1型糖尿病をもつ子どもを育てている4組の夫婦を対象としてフォーカスグループインタビューを実施した。その結果、療養行動や家事の手伝いだけではなく、夫が妻の大変さを受けとめ、気遣うことがサポートになっており、母親とは異なる子どもに対する夫のかかわり方は、妻との役割分担の一つになっていた。 以上より、1型糖尿病をもつ子どもを養育する家族への看護援助として、父親が実施している療養行動や母親へのサポートを、母親がどのように受けとめているかを父親にフィードバックすること、きょうだいにも目が向けられるように支援すること、父親と母親の役割について考える機会がもてるように支援することが重要であることが示唆された。
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