2012 Fiscal Year Research-status Report
被災地災害拠点病院における派遣助産師のコンピテンシー
Project/Area Number |
24593409
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
喜多 里己 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (30367221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 千絵 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (10349780)
千葉 邦子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助教 (40553574)
山本 由香 日本赤十字看護大学, 看護学部, 助教 (00588858)
小原 真理子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (00299950)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 災害 / 助産師 / コンピテンシー |
Research Abstract |
被災地災害拠点病院における妊産婦支援の実態および被災地災害拠点病院に派遣された助産師の活動に関する実態を明らかにすることを目的に、平成24年度は主に研究着手のための準備を行った。具体的には、以下のとおりである。 1)情報収集・文献収集;助産師のコンピテンシーに関する文献および被災地の状況を理解するための資料を収集した。また、被災地で勤務していた助産師が参加するシンポジウムに参加したり、被災地訪問し、被災地にある災害拠点病院でヒヤリングを行い、情報収集に努めた。研究の背景、研究目的に関連した文献を収集し、検討した。 2)研究計画作成:現地の情報および文献検討をもとに、研究計画書「被災地災害拠点病院における勤務助産師・派遣助産師の実態」を作成し、研究者の所属する倫理審査委員会での承認を受けた。 3)研究協力施設への依頼:研究参加者の条件にあてはまる助産師が所属する施設に、研究協力依頼を行った。また、必要な場合は施設の倫理審査委員会への計画書提出を行った。現在、3施設の研究協力施設から了承が得られ、他複数施設の依頼結果を待っているところである。 4)データ収集;研究協力が得られた施設には、随時、研究参加者の募集を行った。募集に応じた助産師に対して、インタビューによるデータ収集を開始したところである。平成24年度内には1名の派遣助産師のインタビューを2回実施でき、東日本大震災直後の貴重な情報を得ることができた。平成25年度には多数の助産師へのインタビューを行う予定である。 5)ワークショップ準備:研究3年目はワークショップ開催を予定している。平成24年度は、関連する研修会、ワークショップなどを受講した。今後は、研究グループで具体的方法を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は研究目的達成のための準備に重点をおいて研究活動を行った。そのため、研究計画書作成や施設への研究依頼はほぼ終了し、研究参加者の募集とデータ収集を開始することができた。 時間を要し慎重に準備したのは以下の理由がある。 1)被災地災害拠点病院に勤める助産師への配慮:研究開始時点で東日本大震災から1年が経過していた。しかしながら、未だ復興への途上にあり、被災地で生活している方々は鮮明な記憶と日常生活の困難さを抱えている。また、家族や知人を亡くしつらい思いを抱いている人も多い。そのため、被災地の助産師へのインタビューを開始するに当たっては、その施設管理者・病棟管理者・カウンセラーとの相談・打ち合わせを重ね、研究への協力が負担にならないような募集方法、インタビュー方法、またインタビュー終了後のサポートについての検討が必要であった。 2)被災地病院に派遣された助産師への配慮:東日本大震災に派遣された助産師の中にも、自らの活動に対する不全感、後悔などを抱く助産師がいることを配慮し、自由意思での参加、勤務施設の圧力がかからないような工夫が必要であった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き研究計画書「被災地災害拠点病院における勤務助産師・派遣助産師の実態」に沿って、研究を進める。 1)データ収集;研究協力施設を日本全国に広げ、研究参加者を広く募集する。また、研究参加者が職位、経験年数も多岐にわたるように選択・依頼し、データの蓄積を行う。 2)データ分析;得られたデータの分析に当たり、共同研究者による研究チームを作成する。定期的に会議を行い、データ分析の妥当性を高める。 3)研究成果発表準備;平成26年度に研究成果を様々な学会で発表する準備を行う。 4)次年度準備:研究成果を用いたワークショップを平成26年度開催に向けて準備する。 課題:被災地での研究活動は、被災者の心理を考慮し慎重に行う。これにより、被災地に住む研究参加者データの集積が少なかったり、進行が遅くなることを考慮しながら研究を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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