2013 Fiscal Year Research-status Report
早産児の「発達ケア」モデル構築とその効果に関する研究
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24593412
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
大城 昌平 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 教授 (90387506)
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Keywords | 早産児 / 新生児集中治療室 / 発達ケア / 教育トレーニング |
Research Abstract |
本研究は、早産児の発達を支援する「発達ケア」のモデル施設を構築し、モデル施設における「発達ケア」が児の神経行動発達、親子の関係性発達、ケアの質に及ぼす効果を検証する。それにより、「発達ケア」の理論と実践をわが国の早産児ケアに定着・発展させ、わが国の新生児医療の資質の向上と、子どもの発達、親子の関係性の改善を図ることを目的としている。 平成24年度は、都立墨東病院(東京)と高槻病院(大阪)の2つの母子周産期センターにおいて、看護師等のケアスタッフを対象として、「発達ケア」の教育トレーニングを実施し、「発達ケア」のモデル施設の構築を行った。平成25年度は、この2つのモデル施設に加えて、千葉海浜病院(千葉)、横浜市立大学付属病院(横浜)、姫路赤十字病院(姫路)においても、「発達ケア」の教育トレーニングを行いモデル施設の拡大を図ることができた。またそれぞれのモデル施設では、関係専門職者(医師,看護師,助産師,など)からなる「発達ケア」の推進チームが構成され、「発達ケア」の教育トレーニングが継続して実施され、施設全体で「発達ケア」に関する知識と技術の習得が推進された。同時に、平成25年度は、「発達ケア」の効果を検証するため、児の脳発達(睡眠発達研究)と神経行動発達の発達研究、ケアスタッフのケア意識および技術の改善、ご家族の変化などについての効果研究を開始した。 平成26年度は、平成25年度に引き続き、1)モデル施設における教育トレーニングを継続し、「発達ケア」のモデル施設の確立を目指す、2)「発達ケア」のモデル施設における効果検証する、3)1)と2)についての成果を公表(研修会や学会等にて)し、わが国の新生児医療における「発達ケア」の推進を図ることを目標とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、都立墨東病院(東京)と高槻病院(大阪)の2つの母子周産期センターにおいて、また平成25年度には、千葉海浜病院(千葉)、横浜市立大学付属病院(横浜)、姫路赤十字病院(姫路)においても「発達ケア」の教育トレーニングを行い、モデル施設の充実と拡大を図ることができたことは大きな成果であった。またそれぞれのモデル施設では、「発達ケア」の教育トレーニングが継続され、関係専門職者(医師、看護師、助産師、リハ専門職種等)からなる「発達ケア」の推進チームも構成されて、各施設におけるケアの質が向上し、わが国の早産児の「発達ケア」を推進するモデル施設の構築が前進した。同時に、平成25年度には、「発達ケア」のモデル施設の意義を検討するため、児の発達研究、ケアスタッフのケア意識及び技術の改善についての調査研究を開始した。これにより、研究最終年度である26年度には、1)わが国の早産児の「発達ケア」モデル施設が構築され、2)「発達ケア」の有効性を実証的に検討して、その成果を公表して、わが国における早産児の「発達ケア」を推進することがきると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度(研究最終年度)は、1)「発達ケア」モデル施設のケアの充実を図るとともに、2)「発達ケア」を推進するモデル施設における「発達ケア」の有効性を実証的に検討・公表して、新生児医療における「発達ケア」を推進することを目標とする。効果検証では、早産児の「発達ケア」による児の成長と発達(脳発達および神経行動発達)、親子の愛着形成と育児、およびケアスタッフのケア技術や意識変化についての検討する。 対象は、都立墨東病院、高槻病院に管理されている児と家族、およびスタッフである。対象児の医学的情報、および脳発達の指標として脳波計による睡眠発達の測定、神経行動発達指標としてブラゼルトン神経行動評価による発達評価を行う。親のケア参加、母子相互作用、心理変化、育児姿勢、育児ストレスについては、観察や質問紙および聞き取り調査を実施する。また、ケアスタッフのケア技術や意識変化などについても、観察や質問紙および聞き取り調査により行う。 実施計画では、(平成25年度から継続して)26年10月頃までに調査を終了し、その後、データ解析を行い、3月には本研究課題の実績を総括し、その後、学会、論文、研修会等の開催等において成果を公表する。
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