2015 Fiscal Year Research-status Report
漏斗胸術後金属バーを体内留置して学校生活を送る子どもの遊び・運動プログラムの開発
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24593421
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
中新 美保子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (00319998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 知子 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (30441489)
植村 貞繁 川崎医科大学, 医学部, 教授 (40160220)
川崎 数馬 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 助教 (40633863)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 漏斗胸 / Nuss法 / 子ども / 学校生活 / 運動 / 遊び / QOL |
Outline of Annual Research Achievements |
1.手術後の子どものQOLについては、回答があった37人のデータを16th Chest Wall Interest Group Study( 香港)にて報告し、日本における術後QOLが高いことを示すことができた。 2.運動・遊びの実態については引き続きデータ収集に努めた。平成27年度は2年間の継続調査の最終年であったが、対象者からの郵送による返信が伸びなかったため研究者が再度電話をかけて回収を依頼した。その結果については、第62回日本学校保健学術大会において「漏斗胸Nuss法術後に金属バーを体内留置した子どもの24カ月間の運動・遊びの実態」として報告し学校関係者に実態を周知できた。 3.学校関係者を対象として「知っていますか、漏斗胸術後の運動・遊びについて」をテーマに交流集会を企画していたが、平成27年第62回日本学校保健学会学術集会(岡山、11月)では交流集会は実施しないとの連絡があり、今年度の開催は断念した。 4.運動・遊びの実態調査の分析を進める中で、「学校健康診断における胸郭異常スクリーニングの課題」が示唆され、この内容を学会誌(川崎医療福祉学会誌)に投稿した。また、「漏斗胸手術(Nuss法)の前に母親が担任教員へ行った説明」の実態が明らかになり、早期に情報提供する必要性が示唆されたため、論文の作成を行い小児保健研究に投稿した。平成28年5月号に掲載される予定である。これらの論文の公表によってNuss法の手術を受ける子どもたちの学校生活での困難感が明らかになり、子どもたちへの理解と様々な支援が実施されることが期待できるといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、漏斗胸Nuss法手術後金属バーを胸郭下に体内領地したまま学校生活を送る学童期の子どもに対して、安全で楽しい学校生活を支援することを目指した、遊び・運動プログラム「なにして遊ぼう~ナス法手術後の遊びと運動~」の開発である。 1.2年間の継続したデータ収集が終了し、最終の分析に着手できる準備ができている。また、小学生においては24カ月のデータ分析が終了している。 2.2年間の継続したデータであるため回収率が悪いことに対して電話連絡などを行って努力したが、手術後1年経過するとほとんど困難を感じていないことが明らかになった。これらのことから回収率に関して大きな問題にならないと判断ができた。 3.「入院中の早期からの運動プログラム」についてはすでに平成26年度に公表し、川崎医科大学附属病院小児科病棟において使用を開始し、また論文はインターネット上で入手できる状態になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.「漏斗胸Nuss法術後に金属バーを体内留置した中高生の24カ月間の運動・遊びの実態」について、Nuss法手術手技研究会において報告する。 2.手術後の子どものQOLについての母親の認識について、17 th Chest Wall Interest Group Study(米国・ノーホーク)にて報告すると共に諸外国の情報収集に努める。 3.「知っていますか、漏斗胸術後の運動・遊びについて」の交流集会を平成28年8月に大学内施設を使用して開催するように準備を進めている。 3.これらの結果を踏まえて、研究者間でのミーティングを数回実施し、最終的に安全な「運動・遊びの時期の提案」を目指す。
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Causes of Carryover |
本研究の遂行のためには国際学会に参加し、その新しい進歩的な情報を組み込むことが非常に有益であることから、平成28年度に開催されるCWIG国際学会(米国、Nuss法開発者ナス先生の所属していた大学病院)に参加できる経費を捻出するために575.063円の繰り越しを行った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1.17th CWIG国際学会(米国・ノーホーク)への出張旅費1名分と2名分の参加費に充てる。
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