2016 Fiscal Year Research-status Report
漏斗胸術後金属バーを体内留置して学校生活を送る子どもの遊び・運動プログラムの開発
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24593421
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
中新 美保子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (00319998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 知子 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (30441489)
植村 貞繁 川崎医科大学, 医学部, 教授 (40160220)
川崎 数馬 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 助教 (40633863)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 漏斗胸 / Nuss法 / 子ども / 学校生活 / 運動 / 遊び / QOL |
Outline of Annual Research Achievements |
1.手術後の子どものQOLについての母親の認識について、17th Chest Wall Interest Croup Study(米国・ノーホーク、2016.6.10)にて報告した。母親および家族の協力を得ることの重要性を各国参加者と共有するとともに、手術時期など現在の治療・ケア上の問題について情報を得た。 2.研究成果の社会への公表として、「胸郭異常のある子どもの学校保健管理」と題し、岡山市の養護教諭を対象とした漏斗胸術後の子どもへの理解を深める交流会を開催した。これまでの成果について、医師の立場で植村は手術手技をDVDに録画して提供、中新は看護師として手術後の看護管理や児と家族への指導状況について講演、養護教諭の立場として難波は、学校での注意点を講演した。10名程度の参加者であったが、漏斗胸という胸郭異常の発見から術後の管理についての最新情報を養護教諭に伝えることができた。 3.これまでの調査の結果として「漏斗胸手術(Nuss法)の前に母親が担任教員へ行った説明」を小児保健研究に投稿、「漏斗胸Nuss法手術を受けた子どものQOLの変化」は小児保健研究学会(大宮、2016.6)、「漏斗胸(Nuss法)手術後の退院指導の評価と1年後の気がかり」は日本看護科学学会(東京、2016.12)にて、それぞれ報告した。 4.今後、HP上に掲載する情報の整理(調査の結果から、術後のどの時期に、どのような運動ができるか)・分析を実施したが、研究分担者の体調不良等により最終結果を得るまでに至らず、繰り越ししての次年度への課題となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目的は、漏斗胸Nuss法手術後金属バーを胸郭下に体内留置したまま学校生活を送る学童期の子どもに対して、安全で楽しい学校生活を支援するための「遊び・運動プログラムの開発」を目指すものである。 1.遊び・運動の実態調査は終了したが、その後の分析を担当する研究分担者に体調不良が生じたことにより、平成28年度中に終了予定であった遊び・運動のデータを示すことができていない。その結果を社会に公表することが重要と考え、1年間の研究期間延長を行った。平成29年度中に成果公表を行う。 2.術前と術後1年のQOLの実態調査は終了し、平成29年6月に開催される18th Chest Wall Interest Croup Study(イタリア・フィレンチェ)に子どものQOLの変化に関する報告を行う予定としている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.これまでの成果を小児保健研究学会に報告(大阪、2017.6)し、漏斗胸手術後金属バーを体内留置して学校生活を送る子どもの遊び・運動について小児保健を担う医師・看護師・養護教諭に周知する。 2.遊びや運動調査の全結果を公表するためのデータの整理(手術後1・2・3・6・12・24か月の経過を軸とし、どのような遊びや運動ができるか)を行う。 3.研究結果を広く公表するための手段として、HP上に掲載することの是非を含めメンバーと協議する。我々のチームではH24年度からの本調査の結果を直ちに臨床と共有していたため、本課題の研究期間中に治療法が進歩し、現在では遊びや運動の開始が早くなるといった成果がすでに示されていることから、過去のデータをHP上に載せることへの危惧がある。しかし、多くの施設や子どもや家族から視点を考えると意義も考えられるため、研究者間で検討する。HP上に公表の場合は環境を整える。他の手段となった場合は論文での公表を行う。
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Causes of Carryover |
前年までに行う予定であったデータ分析が実施できず、それに伴って学会や論文の形での公表ができなかったために、経費が使用できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1.これまでの成果を小児保健研究学会(大阪)で発表予定であるためその旅費・参加費として使用する。また、Nuss法手術手技研究会に参加し治療・看護の現状について収集するための旅費・参加費として使用する。 2.データ分析のための専門的知識の提供への謝金として使用し、結果を公表する。 3.第18回CWIG(イタリア)にての成果発表についての英文への翻訳等に使用する。
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