2013 Fiscal Year Research-status Report
精神障害者の地域生活を支援する市町村保健師のケアマネジメント指標の開発
Project/Area Number |
24593442
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
前野 有佳里 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20432908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳩野 洋子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20260268)
宮園 真美 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10432907)
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Keywords | 保健師 / 精神障害者 / 生活支援 |
Research Abstract |
本研究の目的は、市町村保健師が地域で生活する精神障害者への生活支援、とりわけパーソナリティ障害やアルコール・薬物依存などの問題を抱え、民間による保健福祉サービスの利用が難しい精神障害者において、実施すべきケアマネジメント内容や必要なスキルを評価する指標の開発を目的とすることである。 本年度は(1) 国内外の文献の検討、(2)調査に向けた倫理審査、(3)調査票等の作成を行った。 (1)国内外の文献検討では、昨年と同様、国内の論文に関しては、高齢者、身体障害者を対象とした保健師のケアマネジメントに関する論文は多数みられたが、精神障害者を対象としたものはほとんどなく、特に市町村保健師の実践や具体的ケアに関するものは見当たらないため、福祉・心理分野の文献なども検討した。 (2) 調査に向けた倫理審査の承認を受けた。(1)の結果と同様に、市町村保健師の精神障害者支援の現状が把握できる調査結果等がないため、研究者間で研究計画を再検討した。その結果、現状把握のための調査が必要であった。よって、現状把握調査と、市町村保健師へのインタビュー調査を並行して行っていくように計画を変更した上で、倫理審査の承認を得た。 (3) 調査票等の作成は、現状把握調査と市町村保健師へのインタビュー調査の二つの調査について、それぞれ具体的な調査案を作成しているところである。現状把握調査では調査票、調査の添付文書などを作成済みである、インタビュー調査についても、インタビュー項目や同意を得るための説明書などの作成を負えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の計画は、(1) 文献の検討、(2)調査に向けた倫理審査、(3)調査の実施であった。 現在までの研究の取り組みは、(1)国内外の文献収集・検討を進め、研究計画の精錬を行うことができた。また、(2)調査に向けた倫理審査を受け、承認を得た。しかし、市町村保健師が精神障害者の生活支援に関わっている現状が自治体により様々で、実態把握をする調査の計画にも時間を要した。また、良好な実践に関するインタビューでは、実践例の報告が見当たらず、インタビュー対象の把握が困難な状況があり、市町村への調査の際に、良好事例のリクルートを行うこととした。そのため、調査の実施に至らず、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は市町村保健師が精神障害者の生活支援に関わっている現状把握を行うための調査の実施、並びに、その調査結果を踏まえて、市町村保健師が対応困難であった事例のインタビュー等の調査を実施していく。 また、引き続き国内外の文献検討も行っていくことが必要である。 倫理審査の承認も得て、具体的な調査の準備を進めているところであるので、早急に調査が開始できるよう、事務作業へのアルバイトの活用や、印刷や封筒封入を業者に委託するなど、効率的に行っていき、今後の研究を遂行していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究対象である市町村保健師の精神障害者の生活支援に関する現状が自治体による差が想定以上にかなり大きかったこと、良好な活動の報告が皆無であったことで、現状把握を入念に行う必要性があり、調査計画を練り直したため。しかし、倫理審査の承認も得て、具体的な調査の準備が進んでいるので、今後は順調に進められると考える。 今年度の執行予定として、前述の調査研究(現状把握調査、インタビュー調査)に必要な経費及び事前調査の資料(関係図書等)を積算した。また、今年度は、成果発表をしていく必要があることから、海外での学会参加に必要な費用の積算、加えて海外の活動を具体的に調査するための費用の積算を行った。 以上を積算し、今年度の実施分に必要な経費を、昨年度より持越しており、計画的な研究費の支出が出来ると考えている。
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