2013 Fiscal Year Research-status Report
子育て支援に向けた「幼児期の親子関係アセスメントツール」の開発
Project/Area Number |
24593444
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
松原 三智子 札幌医科大学, 保健医療学部, 研究員 (20304115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 玲子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (60269850)
和泉 比佐子 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (60295368)
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Keywords | 幼児期 / アセスメントツール / 親子関係 / 子育て支援 / 愛着 |
Research Abstract |
本研究の目的は、親子関係にひずみを生じ始めていると考えられる子育て支援が必要な親子を、幼児健康診査で抽出するための「幼児期の親子関係アセスメントツール」を開発することである。 平成24年度は、研究者間で親子関係アセスメントツール調査票の項目について、先行研究および文献から【親の特性】、【子どもの特性】、【親子の相互作用】、【家族としての特性】の4領域から構成を考えた。しかし、平成25年度に親子関係アセスメントツール調査票(試案)を作成するうえで、再度、研究者間で再考した結果、健康診査場面で使用することを踏まえて【家族としての特性】を除外した。さらに、【親子の相互作用】の項目を踏まえるとこの領域名を【親子関係】にした方がわかりやすいため、表現を変更し3領域からなる調査票を作成した。 その後、保健師経験のある14名の大学教員を対象に、親子関係アセスメントツール調査票(試案)の内容妥当性について調査した。その結果、Item-CVIが0.78に満たなかった項目は9項目で、これら9項目を除外した37項目からなる調査票を作成した。Scale-CVIは89.6%でほぼ妥当性のあることが示された。また、14名の専門家の自由回答とともに10年以上の経験をもつ5名の保健師に調査票の回答し易さについて尋ね、これらの結果を踏まえて親子関係アセスメントツール調査票(本調査)を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、デルファイ法を用いて幼児期の親子関係アセスメントツール(試案)を作成し、その内容妥当性について検討する予定であった。しかし、デルファイ法を用いて調査するには、現場の状況および期間を踏まえて困難化する可能性が高かったため、対象者に対して前後2回の継続的比較法を用いて調査する方法に変更した。 進捗状況がやや遅れている理由は、研究を行ううえで2回の倫理審査を受ける必要があり、これに約6ヶ月を要したため、本調査を年度内に行うことができなかった。また、年度末~年度初めにかけて調査依頼を10数か所に行っているが、時期的に研究参加者の内諾を得ることが難しく、時間を要している状況にあり遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、幼児期の親子関係アセスメントツール(本調査)において効果を検証するために、10数か所の保健センターに研究協力の依頼を行いデータ収集段階にあり、現在、3分の1程度の研究参加内諾を得てデータ収集中である。今後、対象者が100人以上になるよう継続して研究依頼を行い、研究参加者の確保に努めたい。また、随時データ収集、分析を行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初、パーソナルコンピュータを購入予定であったが、以前から使用しているものが現在もなお使用可能であるため購入していないこと、さらに調査票の作成に対して業者発注および郵送作業にアルバイトを雇用する予定であったが、研究者自身で調査票作成、郵送作業を行ったために予算が繰り越しとなっている。 今後の使用計画は、不足人数分の研究参加依頼および対象者に対する説明会における交通費等に予算執行する予定である。さらに、分析するために統計解析ソフトSPSSのバージョンアップ、研修会に参加するための参加費および交通費に使用する予定である。また、結果について公表するための翻訳料および報告書を作成するための印刷費に予算を執行する予定である。
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