2016 Fiscal Year Research-status Report
在宅難病患者と家族のソーシャル・キャピタルと生活満足度に関する実証的研究
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24593448
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Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
平澤 則子 新潟県立看護大学, 看護学部, 教授 (60300092)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 難病患者 / 家族介護者 / ソーシャルキャピタル / 生活満足度 |
Outline of Annual Research Achievements |
難病患者と家族の個人レベルのソーシャルキャピタル(以下、SCとする)を把握するため、4年次パネル調査を行った。毎年次、研究参加者の脱落が多く、結果に影響している可能性がある。平成28年度の分析対象は32事例である。 藤沢らのSC6項目の合計点は、患者と家族ともに経年変化が見られず、両者の差はみられなかった。ライフコース・データでは、就職や退職、結婚・家族人数の変化などの変化が見られた事例も数例であった。また、患者家族会に参加している事例は3例であり、参加とSCとの関連は認められなかった。生活満足度について不満足と回答した割合は患者40%に対し家族は5%であった。患者の生活満足度とQOLは、療養年数と日常生活自立度と関連が見られ、SCと生活満足度は強い相関が、SCと難病患者QOL得点は弱い相関が認められた。一方、家族のSCと生活満足度・主観的幸福感との関連はみられなかった。以上の結果から、患者の生活満足度を検討する場合、患者がSCをどのように認識しているかを理解する意義が示唆された。 家族を対象とした4年次調査では、主介護者のコンボイに着目して難病患者介護者のサポート選好を把握した。家族が認識するコンボイ数は5人から8人が多く、メンバーは配偶者や子ども、きょうだいが占め、医師や看護師、介護支援専門員等の専門職は少なかった。今後、事例ごとにライフコース・データ、コンボイの認識とサポート選好、生活満足度、主観的幸福感の関連について詳細に分析していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
5年間で5回の調査を予定していたが、1年次調査の実施が2年目にずれ込んだため、4回の実施にとどまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)補助事業期間延長承認をいただいたので、平成29年度に5回目の調査を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
パネル調査は5回を予定していたが、実施したのは4である。また、最終年度に計画していたパネル調査結果を用いた難病担当保健師へのインタビュー調査が未実施である。パネル調査1回分及びインタビュー調査分が次年度使用額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に第5回調査と保健師インタビュー調査を実施する予定である。また、パネル調査の協力者が大幅に減少したため、横断調査として患者家族会への質問紙調査を検討している。
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Research Products
(1 results)