2013 Fiscal Year Research-status Report
養護教諭のフィジカルアセスメントを支えるエビデンスの集積と判断支援ツール開発
Project/Area Number |
24593453
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
丹 佳子 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (70326445)
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Keywords | 養護教諭 / フィジカルアセスメント |
Research Abstract |
本研究は、養護教諭が保健室で行っている傷病の緊急度・重傷度判断事例を収集し、緊急度・重傷度の高い事例を見逃さないためのエビデンスを集積、そのエビデンスを用いて判断支援ツールを作成することを目的としている。 平成25年度は先行研究および自身の研究成果を精査し、質問紙を作成した。作成した質問紙は、保健室でみる傷病のうち、重症例を含む傷病であるが、視診のみでは緊急度・重症度判断が難しく、かつ頻度が高い傷病である「頭部外傷」、「四肢外傷(打撲・捻挫・骨折)」、「腹痛」、「頭痛」について、養護教諭が経験した重症事例の詳細をたずねるものである。具体的には、その事例の対応を判断した時の「判断根拠」「判断の結果、決定した対応」「診断名」「治療内容」「転帰」「判断のために収集すべき情報についての確認の有無・確認の方法・情報の意味」などをたずねる。この調査によって「重症例において養護教諭がどの程度情報収集して判断をしているか」「情報収集の内容の実際」「用いた判断根拠の妥当性」などが明らかになる予定である。 このことにより、学校現場で重症例を判断する時に見逃してはならない情報が明らかになるとともに、養護教諭が陥りやすい判断ミスを分析することもできる。また、養護教諭が行う緊急度・重症度判断基準の有効性についてのエビデンスを得ることもできる。 自身の研究成果の精査結果は、「養護教諭養成のための視診力を高める外傷判断力育成プログラム(学校保健研究、56(1)、21-32、2014)」として論文発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度は、「養護教諭の緊急度・重症度判断の確かさ」と「養護教諭の緊急度・重症度判断基準に関する経験的エビデンス」を明らかにするために、主に1)先行研究および自身の研究成果を精査し、質問紙を作成する。2)作成した質問紙を用いて、養護教諭を対象とした調査を行う、の2項目を予定していた。 しかし、1)の先行研究の文献レビュー段階で、今回の研究と同様の研究が最近発表されており、質問紙の項目を見直さざるを得ない状況が生じたこと、さらに、質問紙作成の視点を明確にするために、自身の研究成果を精査する段階で時間がかかったことなどから、質問紙調査までに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成25年度に作成した質問を用いて養護教諭に対する質問紙調査を実施する。対象は、小中高等学校に勤務する約2,000 名の養護教諭(学校種と学校規模を考慮して「学校一覧」名簿から抽出)を対象に、質問紙調査(郵送法)を行う。 質問紙の内容は、保健室でみる傷病のうち、重症例を含む傷病であるが、視診のみでは緊急度・重症度判断が難しく、かつ頻度が高い傷病である「頭部外傷」、「四肢外傷(打撲・捻挫・骨折)」、「腹痛」、「頭痛」について、養護教諭が経験した重症事例の詳細をたずねるものである。具体的には、その事例の対応を判断した時の「判断根拠」「判断の結果、決定した対応」「診断名」「治療内容」「転帰」「判断のために収集すべき情報についての確認の有無・確認の方法・情報の意味」などをたずねる。この調査によって「重症例において養護教諭がどの程度情報収集して判断をしているか」「情報収集の内容の実際」「用いた判断根拠の妥当性」などが明らかになる予定である。 調査結果から得られたエビデンスに基づき、判断のポイントを明確にして、養護教諭向け教育教材を作成し、試行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
進行が遅れており、質問紙調査および教材作成を平成25年度中に行うことができなかったため。 質問紙調査および教材作成を予定している。主な使用計画は以下のとおりである。 質問紙調査を行うにあたり、郵送料(対象者2,000人に郵送:205円×2,000部=410,000円)、質問紙返信用切手代(82円×2,000部=164,000円)、調査対象者抽出・名簿作成(6,240円×2人×5日=62,400円)、質問紙印刷・郵送手配補助(6,240円×2人×5日=62,400円)、データ整理・入力作業(6,240円×2人×10日=124,800円)、データ整理・入力作業(6,240円×2人×10日=124,800円)にしようする。また、教材作成にあたり、専門知識の提供(5,450円×2人×8時間=87,200円)、教材作成の医学監修(5,450円×2人×8時間=87,200円)に使用する予定である。
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