2014 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の転倒発生における視知覚と姿勢制御能力に影響する要因の検討
Project/Area Number |
24593455
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Research Institution | Ube Frontier University |
Principal Investigator |
江藤 真紀 宇部フロンティア大学, 人間健康学部, 教授 (30295167)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高齢者 / 転倒 / 視線行動 / 姿勢制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域高齢者を対象に性別、同居家族の構成と人数、既往歴、治療中の疾患、服薬状況、運動習慣、睡眠状況、老研式活動能力指標、視覚関連疾患の既往、過去1年間の入院経験、過去1年間の転倒経験、転倒経験者には転倒時状況等について聞き取り方式の面接調査を実施した。聞き取りとともに身長、体重、体脂肪、血圧、視力と動体視力、握力、下肢筋力、咬合力、柔軟性(長座体前屈、足関節角度)、重心動揺(総軌跡長、矩形面積、外周面積)、眼球運動総軌跡長を測定をした。 分析対象はは159人(74.3±6.4歳)、うち男性56人(75.7±6.8歳)、女性103人(73.5±6.1歳)であり、転倒経験者は38人(24.5%)であった。老研式活動能力指標では、11点以上の者は、138人と89%を占めていた。転倒経験の有無では、視覚関連項目では有意差はなかった。聞き取り調査項目では、右目手術(p<0.05)、左目手術(p<0.05)、定期的眼科受診(p<0.05)、普段から転ばないように気を付けている(p<0.05)、普段からつまずく(p<0.05)の5項目で有意差が認められた。また、ロジスティック回帰分析では、開眼片足立ち(p<0.05)、定期的眼科受診(p<0.05)の2項目でのみ有意差が生じ、5km/hの動画を注視した状態での重心動揺総軌跡長(p<0.10)、白内障の手術経験(p<0.10)の2項目で有意な傾向があった。 老研式活動能力指標の結果、健康状態が良好な高齢者群であることが分かった。しかし、転倒には、視覚機能と日常生活動作が関連していることが伺えた。定期的眼科受診で眼疾患の予防と早期発見、視覚情報を正しく視認することが重要と考える。地域で健やかに生活をするためには、視覚機能の維持・向上が転倒回避のための一助に有り得ることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データの分析に困難を要した。そのため、研究成果の取りまとめおよび成果の公表が遅れ気味の状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
収集データの再分析、研究成果の取りまとめおよび成果の公表として、学会発表と論文の作成を実施する。
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Causes of Carryover |
データ分析に困難を要した。そのため、予定していた学会発表および論文作成が円滑に進行しなかった。そのため、公表において必要となる諸経費(学会参加費や旅費、論文作成に必要な文献複写費や投稿料)の未使用が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
収集データの再分析を実施する。その後、研究成果の取りまとめ直しおよび成果の公表としての学会発表と論文作成をする。未使用額は、公表において必要となる諸経費(学会参加費や旅費、論文作成に必要な文献複写費や投稿料)にあてる。
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