2013 Fiscal Year Research-status Report
思春期のインターネット依存症の要因分析及び予防プログラムの構成要素の検討
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24593465
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Research Institution | Hiroshima Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
成 順月 広島文化学園大学, 看護学部, 准教授 (00555055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 秀美 広島文化学園大学, 看護学部, 教授 (10352006)
八島 美菜子 広島文化学園大学, 看護学部, 准教授 (40304381)
岡平 美佐子 広島文化学園大学, 看護学部, 准教授 (60441557)
原 ひろみ 広島文化学園大学, 看護学部, 講師 (90461318)
沢田 美代子 広島文化学園大学, 看護学部, 教授 (90565681)
鮎川 昌代 広島文化学園大学, 看護学部, 准教授 (60554293)
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Keywords | インターネット依存 / 思春期 / 前向きコホーと / 生徒 / 心身健康 / 予防 |
Research Abstract |
本研究は前向きコホート研究を通して、日本の思春期子どもにおけるインターネットの利用状況とネット依存症の有病率の実態を調べる同時に、ネット依存傾向につながるリスク要因とネットの依存傾向が思春期子どもの心身健康に与える影響を明らかにすることで、インターネット依存症の予防プログラムの構成要素を検討することが目的である。 H24年度は、広島県呉市にある6つの中学校と5つの高等学校の生徒3170人を対象に自記式質問紙によるベースライン時調査を実施した。その結果、約18%の思春期生徒が中度のインターネット依存傾向であり、0.7%が重度の依存傾向にあることが分かった。また、女子生徒は男子生徒より、高学年は低学年よりネット依存傾向になりやすく、ネットの長時間利用、親と一緒に暮らしていないこと、部活に参加しないこと、ゲームや掲示板、性に関する情報を得ることを目的でインターネットを頻繁に利用することがネット依存症と関連する結果が得られた。 H25年度は、H24年度の研究成果を国内外の学会で発信し、協力学校を訪問し、調査結果の報告を行った。また、12月から1月にかけて第2回目の追跡調査を実施した。現在データ入力が終了し、データ構築の段階である。約2000人の追跡が可能になったので、インターネット依存傾向の変化、リスク要因、ネット依存が心身健康に与える影響についての因果関係を明らかにすることができる。 今年度は追跡データを分析し、その成果を国内外の学会や学術誌に発信していく計画である。また、協力学校に前年度と同様に調査結果についての報告を行い、ネット依存予防対策を学校側と一緒に考え、予防プログラムを検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画時には10月~12月の間に調査を実施する予定だったが、対象学校の確保に時間がかかり、実際に1回目の調査が実施できたのはH24年の12月からH25年の2月までの間で、調査期間は予定より少し遅れた。従って、2回目の調査も1年後になるため、H25年度12月からH26年の1月の間に実施したので少し遅れた。しかし、データ入力と整理がほぼできているので、おおむね順調に進められたと言える。 また、本研究は追跡研究であるため、対象生徒は記名や学生番号の記入が求められる。従って、調査協力を得ることは容易ではなく、第1回目の調査対象者数が3170人で、計画当時の4000人より少なかった。しかし、2時点のデータがリンクできたのが約2000人いるので、当初の研究目的を達成するための統計解析に十分耐える数である。
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Strategy for Future Research Activity |
4月から7月:2時点の追跡データを徹底的に分析する。8月から9月:対象学校別に集計を行い、その結果をグラフや表でまとめ、協力校に報告する。10月から11月:専門家や協力学校側と一緒に、実行可能な予防プログラムの検討を行い、予防プログラム素案作成する。1月~3月:予防対策パンフレットを作成し、学校に配布する。同時に、本研究で得られた成果を論文として国内がの学会誌で発表することで、得られた情報を幅広く発信していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
論文の英文校正に使用する予定だったが、英文校正まで出せる状況にならなかったため、次年度使用額が生じた。 英論文の校正に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)