2012 Fiscal Year Research-status Report
介護保険施設における看護・介護職の協働を推進する協働実践自己評価尺度の開発と検証
Project/Area Number |
24593472
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
松田 直正 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (60376176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸 奈津子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60512069)
善福 正夫 帝京平成看護短期大学, その他部局等, 教授 (20514087)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 看護職と介護職 / 協働 / 介護保険施設 |
Research Abstract |
平成24年度は、先行研究および文献の検討、看護職・介護職・管理者を対象とした調査とその分析をもとに、介護療養型医療施設における看護職と介護職の協働の実態を明らかとした。具体的には、介護老人保健施設を対象とした調査結果でも示唆されたように、看護とは何か、介護とは何か、さらに看護と介護の異同が確固たるものとされていないこと等を要素として、介護職に曖昧さを、両職種に苦悩を感じさせていることが明らかとなった。また、その実態をもとに、介護療養型医療施設における看護・介護職の協働の類型が明らかとなりつつある。なお、本成果は平成25年度~平成26年度に看護系学会等で発表予定である。 また、介護老人保健施設を対象とした調査において、介護職は薬の管理を看護師が単独で実施するほうが職務満足度は高かったこと、その一方で、看護職は薬の管理を介護職が単独で実施するほうが職務満足度は高かったことが明らかとなった。日本において、介護保険施設内に薬剤師が常勤で配置されていることは少なく、薬の管理は主に看護職が担ってきた。薬の管理に関しては、看護職も介護職も他の職種に任せたいという意思があるものと思われる。つまり、薬の管理は、他の職種(例えば薬剤師など)が担ったほうが職務満足度を高める要素であることが示唆された。これは看護職と介護職を対象とした調査としては新しい知見である。なお、本成果は、第25回国際看護師協会4年毎大会で発表する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画の通り、平成24年度は介護療養型医療施設を研究対象の中心に取り上げ、対象施設の看護・介護職の協働の実態等を明らかとした点から、おおむね順調に進展しているものと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
介護老人福祉施設における看護・介護職の協働に関する実態調査を、以下のとおり行う。 1. インタビュー調査 介護老人福祉施設から無作為抽出により3施設を抽出して調査を実施する。1施設あたり、2人の看護職、2人の介護職、1人の管理者に対し、半構造化面接調査を行う。調査内容は、先行研究・文献検討により得られた基礎資料をもとに協働の実態に迫る内容とする。具体的には、特定の日の看護職と介護職の業務を誰がどのように決めるのか、特定の日の入所者の担当を誰がどのように決めるのか、業務上困ったことが発生したことがある場合はその具体例に焦点を当て誰がどのように解決したのか、排泄ケア・褥創ケア等の具体的な業務に焦点を当て看護職と介護職がどのようにケアをするのか等を調査する。得られたデータは看護職と介護職の視点で比較分析しながら、その特性を抽出するために質的帰納的に分析する。さらに、研究代表者が実施した「介護老人保健施設における看護職と介護職の協働パターンと職務満足度に関する研究」で明らかにした介護老人保健施設での協働の類型及び本研究課題で明らかとした介護療養型医療施設における協働の類型に、今回の研究のデータが分類できるかを試み、分類できないデータがある場合は、そのデータを吟味し、類型の細分化を検討したり、抽象度を上げ新たな類型を検討する。 2. 質問紙調査 介護老人福祉施設における看護職と介護職の協働の類型の適用可能性の検証及び協働の類型と職務満足度との相関の検証を目的として、郵送法による質問紙調査を行う。介護老人福祉施設から無作為抽出を行い、500施設を調査対象とする。調査内容は、インタビュー調査で明らかになった看護職と介護職の協働の類型の適応可能性を検証する内容とする。さらに、職務満足度調査を併せて実施することで、協働の類型との相関について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
必要な時期に、必要なものを必要量、適正な価格で調達することで、研究費の効率的な使用に努めた結果、次年度使用額が発生した。しかし、平成25年度は、当初の研究実施計画では想定していなかった国際学会での成果発表を行うため、両年度の合計使用額としては、当初の計画通りとなる見込みである。
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Research Products
(8 results)