2014 Fiscal Year Research-status Report
BPSDサポート尺度によるアウトカムと認知症ケア充実感と職務満足と離職意向の関係
Project/Area Number |
24593476
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小木曽 加奈子 岐阜大学, 医学部, 准教授 (40465860)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 認知症 / BPSD / 介護老人保健施設 / ケアアウトカム / 充実感 / 職務満足度 / 離職 |
Outline of Annual Research Achievements |
調査5は、介護老人保健施設10施設に対して、1年以上認知症ケアを実践している看護職5名と介護職5名(計100名)に実施した。調査内容は、BPSDサポート尺度簡略版(2領域・4項目・3質問)等である。その結果、<困難の領域>のCronbachのαは.890~.917、<ケアの領域>は.756~.848であり、信頼性を確保することができた。調査6は、介護老人保健施設10施設に対し調査を実施した。調査期間中に入所した認知症高齢者の日常生活自立度判定基準ランクⅣ及びMに対し、Texas Tech Funcitional Rating Scale for the Symptom of Dementia(以下、機能評価)により日常生活全体に配慮が必要である30点以上であり、同意が得られた者を対象とした。参加観察法によるフィールド調査とし、対象者1人の調査期間は約1カ月とした。調査内容は、基本属性及び認知機能は認知症高齢者の日常生活自立度判定基準(以下、認知症自立度)、柄澤式「老人知能の臨床的判断基準」(以下、柄澤式)、Moore機能評価尺度等であり、BPSDの状況として、BPSDサポート尺度簡略版を用いた。対象者は、男性は3名、女性は7名、平均年齢±SDは85.90±3.96歳、現病歴は、アルツハイマー型認知症は5名(50.0%)等であった。機能評価の平均±SDは33.80±3.26、認知症自立度はⅣは8名(80.0%)、柄澤式は高度(+3)は5名(50.0%)と最も多かった。<困難の領域>では、「興奮・易怒」が最も高く、<ケアの領域>では、「拒薬・拒食・拒絶」が最もよい反応を得られたケアであった。時間的な推移とともに<困難の領域>は低減傾向がみられたが、ひとり一人に着目をすると、困難が増減する人もいた。<ケアの領域>では、時間的な経過とともに、ケアが多くなることを示す傾向がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の調査1-1、調査1-2、調査2は予定通り終了することができた。平成25年度の調査3及び調査4も予定通り終了することができた。平成26年度の予定であった調査5及び調査6も、予定通り終了することができた。幾つかの調査を確実に実施することで、尺度としてより実用的になるよう修正を重ねることができた。調査6のフィールド調査により、BPSDサポート尺度簡略版が介護老人保健施設の現場で活用できることも明らかになった。BPSDサポート尺度(2領域・4項目・5質問)とBPSDサポート尺度簡略版(2領域・4項目・3質問)は、それぞれの使用用途によって使い分けることが必要であり、平成27年度の調査7においては、より信頼性が高いBPSDサポート尺度を用いて、質問紙調査を実施する予定であり、研究は順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度~平成26年度は、研究計画を予定通り実施することができた。平成27年度はそれらの研究を重ねた上での調査7を実施していきたいと考える。平成27年度は、BPSDサポート尺度を用いて、認知症ケアアウトカムと認知症ケア充実感と職務満足度及び離職意向の関係を、介護老人保健施設約200施設に対し、当該施設で認知症ケアの経験がある看護職5名と介護職5名(計約2,000人)を対象に、質問紙調査を行う予定であり、本調査により、本研究課題の仮説の検証を行う。
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