2013 Fiscal Year Research-status Report
人工股関節・膝関節患者の経年的QOL評価の集積と再置換予防に関する研究
Project/Area Number |
24593481
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
藤田 君支 佐賀大学, 医学部, 教授 (80315209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬渡 正明 佐賀大学, 医学部, 教授 (80202357)
牧本 清子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80262559)
眞壁 幸子 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40436184)
田渕 康子 佐賀大学, 医学部, 准教授 (90382431)
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Keywords | 人工股関節 / QOL / 高齢者 / ライフスタイル / 中国 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
目的:1.QOL調査の対象は術後7年を継続し、主観的評価の集積を行う。2.術後10年目のTHA患者調査を開始する。3.術後5年目までの回収したデータを時系列に解析する。4.座式生活を共有する東アジアの中国でQOL調査を行い、日本と比較検討する。 方法:目的1と2については、THA術後7年と10年目の対象者に郵送で自記式QOL調査を行う。目的3については、術後5年目の収集した調査結果を追加整理して、術前及び術後6週、1年、3年、5年の集積データについて、時系列に変化パターンを検討する。目的4については、中国広州の南方医科大学病院でQOL調査を実施する。 結果:調査票は術後7年の患者は合計400部、術後10年目は約100部回収できたため、データを追加集計した。術後5年目までの解析では、術前調査の有効回答1008名のうち、術後5年を670部回収した。5年以内に手術をしたのは累計100名、未回収者238名には追加調査で近況を確認した。QOLは年齢や性別に関わらず、術後の各4時点で術後5年目まで有意に改善を続けたが、75才以上の群では身体機能の効果量が小さかった。追加調査では未回答、死亡、認知症等で施設に入所している人を除くと、約70%が術後は健康状態が概ねよいと回答した。さらに、中国とのQOL比較では日本の回収済みデータと術後年数・年齢をマッチングさせた横断的調査を広州の2病院で行い、各120名ずつで検討した。術後QOLは中国でも高かったが、在宅での生活は不自由と回答する人が日本より多く、THA患者のライフスタイルへの適応が課題であった。 結論:術後5年目までのQOLの変化では、年齢や性別に関わらず、術後1年、3年、5年と改善傾向が続き、THA患者のQOLが中-長期に維持することが示されたが、75才以上群では加齢による影響が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は国内のQOL調査は予定通りに術後10年目まで順調に調査を継続できた。さらに、中国の南方医科大学との共同研究により、日本だけでなく、東アジアに共通する座式ライフスタイルとTHA患者のQOLについて検討することができた。中国のデータと日本のデータを比較することにより、より広範囲の国際的な視点でのQOL支援について示唆を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はTHA術後10年目までの調査を継続しながら、術後7年目までの時系列データ解析やQOL変化の実証を進めていく。さらに、東アジアのライフスタイルにおけるQOLについて、今年度の中国と比較した結果、国内の課題と共通する国際的な課題も示唆されたため、今後は他のアジアの国とも共同研究の可能性を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
中国以外の東アジアでの調査地が台湾に年度内に決定したが、現地調査は相手先の都合もあり、次年度の4月となったたため、次年度に繰り越して4月に使用予定である。 今年度は物品購入より、海外の打ち合わせ調査旅費、人件費、研究発表で予算配分を大きくする予定である。
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Research Products
(8 results)