2012 Fiscal Year Research-status Report
在宅緩和ケアにおける認定看護師を活用した訪問看護コンサルテーションシステムの開発
Project/Area Number |
24593488
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
星野 純子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (00320672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筑後 幸恵 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (60310512)
岩満 裕子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (70457810)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 看護学 / 在宅緩和ケア / 訪問看護 / 認定看護師 / コンサルテーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、在宅緩和ケアを実践する訪問看護師の実践能力向上に向けて、在宅で活動する認定看護師を活用した訪問看護コンサルテーションシステムを開発することである。本年度は、訪問看護コンサルテーションシステム開発のための基礎調査の実施、およびシステムを稼働するためのS県在宅を支える認定看護師会との協働体制を整備した。 1.S県内の訪問看護ステーションを対象に、在宅緩和ケアの実際と課題、コンサルテーションへの要望について調査した。その結果、在宅緩和ケアの課題として、1)医師との連携が困難2)往診医の不在3)緊急入院・レスパイト入院できる病院の不足4)患者・家族へのICが不十分5)家族内調整の不足6)ステーション内の看護師教育が不十分7)看取った看護師へのケアができない8)遺族支援ができないなどが挙げられた。さらに、コンサルテーションへの要望として、1)緩和ケアに関する研修2)医師への相談・報告の方法と内容への助言3)気軽に相談できる体制4)病院と在宅の違いを理解したうえで指導してほしいの4点が挙げられた。 2.コンサルテーションシステムを稼働する基礎準備のためにS県在宅を支える認定看護師会と年7回会議を行った。具体的な活動としては、S県内にこの会を周知するために年2回会報を発行した。さらにS県訪問看護ステーション連絡協議会と連携を図り、HPでの広報活動を行える環境を整えた。また、県内の訪問看護師や在宅を支えている多職種を対象に訪問看護サービスについて理解を促す公開講座を実施し90名の参加があった。S県在宅を支える認定看護師会との協働を期待すると参加者の90%が回答した。 今回、S県内における訪問看護ステーション側からの緩和ケアの課題がみえた。したがって、次年度以降はコンサルテーションを提供する認定看護師側の活動の現状を明らかにしコンサルテーションシステムの素案つくりを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、訪問看護コンサルテーションシステム開発のための基礎調査の実施、およびコンサルテーションシステムの素案つくりを目指した。 基礎調査として、S県内の訪問看護ステーションへの質問紙調査を実施し、S県内における在宅緩和ケアの実際と課題、コンサルテーションへの要望について明らかになった。さらにシステムを稼働するためにコンサルテーションシステムの素案つくりを目指したが、まずはS県在宅を支える認定看護師会の活動をS県内に広めることが先決と判断した。したがって、県内への広報活動に主眼をおき、コンサルテーションシステムを稼働するための体制を整備した。 以上より、コンサルテーションシステムの素案つくりに向けた基礎的調査の結果分析が終了したこと、稼働するための体制を整えられたことから、研究目的に対し、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度の結果を受けて、25年度はコンサルテーションシステム稼働に向けた2つの具体的な研究活動を行う。 1つは、コンサルテーションを提供する認定看護師の基礎調査である。S県内の緩和ケアを実践している緩和ケア認定看護師52名および訪問看護認定看護師13名の計65名を対象に実際の活動およびコンサルテーションシステムへの参加の可否・方法などを調査する。これにより、コンサルテーションの提供側と受け手側からの課題と要望が明らかになり、コンサルテーションシステムの素案つくりへの基礎的資料とする。 この資料をもとに、2つめの活動としてコンサルテーションシステムの素案作りを行う。具体的にはS県在宅を支える認定看護会と協働し認定看護師の意見を取り入れながら作成する。さらに、S県看護協会と運用方法を調整し、システムを稼働する準備を整える。 最終年度の26年度はコンサルテーションシステムを稼働し、施行した事例の内容を分析する。コンサルテーションを受けた訪問看護ステーションの管理者・訪問看護師からインタビュー調査を通して評価を得る。さらに実践した認定看護師からの評価をグループインタビューにより得る。そのうえでコンサルテーションシステムを構築し成果をまとめる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度は、コンサルテーションを提供する認定看護師への質問紙調査を実施するための通信費・印刷費を新たに計上する。さらに、S県在宅を支える認定看護師会と協働するための経費として会議費・印刷費・パンフレット作成費が必要となる。 また、24年度の成果を発表するために旅費を計上する。
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