2013 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病高齢者の家族介護者を中心とした在宅療養生活支援プログラムの開発
Project/Area Number |
24593495
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
冨安 眞理 静岡県立大学, 看護学部, 准教授 (50367588)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森野 智子 静岡県立大学短期大学部, 歯科衛生学科, 講師 (20582703)
今福 恵子 静岡県立大学短期大学部, 看護学科, 講師 (80342088)
紙屋 克子 静岡県立大学, 看護学部, 教授 (90272202)
|
Keywords | 訪問看護 / パーキンソン病 / 家族介護者 / 療養生活支援 |
Research Abstract |
【平成25年度 研究目標】1)在宅療養生活支援プログラム運営に必要な人材育成研修会の開催 2)生活機能低下予防を目的とした在宅療養生活支援プログラムの実施 【結果】1)在宅療養生活支援プログラム運営に必要な人材育成研修会の開催 (1)開催日時:平成25年6月30日9:00~16:00 (2)開催場所:研究者所属機関 (3)参加者:39人(訪問看護師16名、ホームヘルパー6名、介護福祉士6名、社会福祉士2名、居宅介護支援専門員6名、学生3名)(4)研修内容:①ナーシングバイオメカニクスにもとづく生活支援技術講義及び演習 (5)開催の意義:難病者であるパーキンソン病療養者(以下,PD療養者)とその家族へのバランスボールを活用したムーブメントプログラム(紙屋, 2011)の活用は新たな試みであった。また、在宅医療推進に貢献する多職種連携を学ぶ機会を得た、等の意見を参加者から得ることができた。 2)在宅療養生活支援プログラムの実施 1)研究デザイン:1群事前事後テストデザイン 2)対象者:患者会主催の研修会に参加し、研究に同意した家族介護者14人3)データ収集方法:平成25年11月及び平成26年1月に、2回実施された研修会にて、生活支援技術セミナーを受講した看護師が、バランスボールを活用した在宅療養生活支援プログラムを説明した。自宅において起床時の体幹の回施運動(5分)と体が動きやすい時間帯の足踏み運動(3分)のプログラム内容をPD療養者が主体的に4週間行うこと、症状日誌の記載について本人と家族に依頼した。プログラム実施前後に会場にて歩行速度測定、舌圧測定、質問紙調査を行った。期間中、1週間毎に調査担当者が電話での聞き取りと、プログラム終了後に、PD療養者、家族別のグループインタビューを行った。4)倫理的配慮:調査担当者の所属機関倫理委員会へ申請し承認を受け、それを順守し行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、加齢に伴う身体機能の低下と薬効の減弱化による障がいをあわせもつPD高齢者を介護する家族を中心とした在宅療養生活支援プログラムの開発とその評価を行うことを目的とする。平成25年度研究目標である1)在宅療養生活支援プログラム運営に必要な人材育成研修会の開催、2)研究デザインを修正し、在宅療養生活支援プログラムの実施に至った。 平成24年度の予備調査の結果分析を踏まえた研究デザインの修正は次の通りである。1)PD療養者の選定条件:①年齢(65歳以上)②ヤール重症度(III~V)について変更し、高齢者に限らず進行期にあるPD療養者とした。 2)リクルート方法:多くのPD療養者とその家族が訪問看護利用に至っていない現状から、訪問看護ステーションから患者会に研究対象者応募の窓口を変更した。
|
Strategy for Future Research Activity |
在宅療養生活支援プログラム参加者は、本研究に同意した家族介護者は14人中、途中脱落者を除いた者は9人(女性6人、男性3人、配偶者7人、子2人)であった。平均年齢は配偶者65.4歳(標準偏差9.34)、子41.0歳(標準偏差11.0)であった。PD療養者9人(女性6人、男性3人、ヤールII1人、III6人、未申請2人)の平均年齢は66.24歳(標準偏差9.59)であり、PD療養者の多くが運動障害に伴う生活上の課題を有していた。今後収集したデータ分析を行う予定である。なお、平成25年度に作成した「口腔に関する情報シート」は、PD療養者のかかりつけ歯科医院との情報共有に有効であることが明らかになった。今後は、療養環境が変化した際にPD療養者と家族のQOLを守ることを目的とした、本シートの活用について普及活動を行う予定である。 平成26年度プログラム評価の実施にあたり、次の3項目に取り組む予定である。1)自己管理スキル尺度を用いて家族介護者の自己管理スキル向上の効果について検討を行う。2)PD療養者と家族介護者へのフォーカスグループインタビューから、プログラム実施の強化要因及び実現要因について検討を行う。3)PD療養者の歩行速度、舌圧の変化、転倒の有無等から介入事例の成果分析を行う。 平成26年度に開催される日本健康教育学会、日本公衆衛生学会、せいれい看護学会、日本難病看護学会において、本研究の成果を公表する。
|
Research Products
(3 results)