2012 Fiscal Year Research-status Report
介護老人保健施設における口腔ケア教育プログラムの開発と継続的効果の検証
Project/Area Number |
24593497
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
百瀬 由美子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (20262735)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 あゆみ 愛知県立大学, 看護学部, 講師 (00433227)
天木 伸子 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (40582581)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 口腔ケア / 教育プログラム / 高齢者施設 / 実態調査 |
Research Abstract |
本研究の目的は、介護老人保健施設における口腔ケアの実態を明らかにすることと、アクションリサーチを用いてケア提供者が継続的に口腔ケアを実践できる教育プログラムを開発することである。 平成24年度は、研究の第一段階として介護老人保健施設における口腔ケアに関する実態を把握することを目的に施設管理とケア提供者を対象に全国規模の調査を実施した。 WAM-NETの高齢者福祉施設情報に登録されている介護老人保健施設リストより無作為に1000 施設を抽出し、施設管理者およびケア提供者を対象に郵送による自記式質問紙調査を実施した。調査内容は、1) 施設管理者には、施設規模、入所者の要介護度、口腔ケアに関する施設のケア方針および施設内外を含めた教育体制、年間の誤嚥性肺炎罹患者数等であり、2) ケア提供者に対しては、口腔ケアに関する知識および必要性に関する認識、実施意欲と実施状況、実施または継続する上での困難とそれへの対応等の実態を尋ねた。質問紙の回収は、施設管理者からは169名(回収率16.9%)あり、ケア提供者は施設の調査協力の承諾がえられた116施設1,453名に調査用紙を配布し、671名(回収率46.2%)から回収された。調査施設の特徴として、施設の入所者定員の平均は83.2名、入所者の平均介護度は3.2であった。口腔ケアに関するスタッフ教育に関して、施設内で実施している施設は8割、施設外教育への参加支援も85.7%は実施していた。そのためスタッフの口腔ケアの知識は十分あると回答した管理者が7割弱に及んだ。しかしながら、年間の誤嚥性肺炎罹患者平均は16.8名であった。 ケア提供者の調査は、現在、回収中であり、その分析結果を総合し、口腔ケア実施の現状の課題を明確にし、平成25年度は介入施設を探り、適切かつ継続可能な教育プログラムの作成を検討し、試行する計画である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、本邦の介護老人保健施設における口腔ケアの実態を把握することを目的としており、全国調査を計画通り実施できた。その結果の分析状況は、途中であるが、施設管理者は、ケア提供者が備えている口腔ケアに関する知識・技術力は十分であると認識しているにもかかわらず、年間平均で16.7人に誤嚥性肺炎が発症していることが明らかになった。このことから、口腔ケアの実施状況をケア提供者の調査結果から分析し、次年度の研究計画立案に反映させる。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の実施した全国調査の全データを分析し、介護老人保健施設にける口腔ケアに関する課題を明確にし、ケア提供者を対象とした教育プログラムを作成し、教育プログラムを介入できる施設を探索し協力を依頼する。研究協力に承諾が得られたら、教育プログラムを実施する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の実施した全国調査のうちの、ケア提供者を対象とした調査データの入力のための委託費、教育プログラム介入のために使用する口腔ケア用消耗品、事務用品および交通費、謝金が必要となる。これらにかかわる費用について、平成24年度に発生した未使用研究費を合わせて、平成24年度の全国調査の結果を公表するための学会参加費、旅費を含め使用する計画である。
|