2012 Fiscal Year Research-status Report
不眠愁訴のある高齢者の入眠潜時短縮を目指すプログラムの短期および長期効果の検証
Project/Area Number |
24593503
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小松 光代 京都府立医科大学, 医学部, 准教授 (20290223)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高齢者 / 睡眠障害 / 介護予防 / 入眠潜時 / 健康教育 |
Research Abstract |
今年度は、まず、老人大学等で睡眠講話を聴講した高齢者78名(平均年齢71.1歳)を対象に質問紙調査を実施し、不眠愁訴のある高齢者の抽出を行った。対象者の平均睡眠時間は441.6(SD126.4)分、入眠潜時19.1分(最長120分~最短1分)、中途覚醒2.1(SD1.3)回であった。このうち、不眠が軽症以上もしくは睡眠に不安をもつ者が約半数を占めた。この中から、調査の趣旨と方法を説明し、同意を得られた者を対象に1週間の睡眠測定(アクティウォッチ)と活動量測定(ライフコーダ)、質問紙による食生活や生活行動、良眠のための生活習慣実践等の調査を行うとともに、希望者(平均年齢73.1歳)を対象に、パイロットスタディとして認知行動療法的アプローチを取り入れたスリープ講座(5回シリーズ)を開催した。 講座の参加者は、全員健康への関心が高く、既に運動や栄養教室への参加、日頃の生活にも十分注意を払っていたため、プログラムは、睡眠衛生教育や入眠潜時短縮のためのリラクゼーション(筋弛緩体操)、睡眠環境の調整、睡眠日誌記入によるセルフチェックなどを企画・実施した。毎回、短時間の講話とグループワークを取り入れた。参加者は、入眠潜時の延長、中途覚醒が多い、早朝覚醒や眠りが浅いなどの睡眠問題を自覚しており個人差が認められた。通院治療中の病気があり、睡眠のみならず生活全般を自己管理する必要性を感じている者もあった。参加者の良眠のための日常生活習慣の行動化を講座開始時から終了後で比較すると、目立った変化はないが、半数の者は実践項目数が増加していた。また、統計的に有意差を認めないものの睡眠潜時は短縮傾向、睡眠効率はやや上昇した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、質問紙調査結果から不眠愁訴のある高齢者小集団を対象とした良眠のために講座を5回シリーズで開催した。パイロットスタディによる結果の詳細を分析し、評価した後改善・検討し、今後のプログラム計画に生かしていく。 今年度は、引き続き、講座を継続するとともに3年前に実施した睡眠調査の経過観察を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も調査および睡眠改善の講座を継続していく。 一般高齢者を対象とした講演会等や介護予防教室では不眠高齢者のみを抽出することが容易でないため、効率的に不眠対象者を探索することが課題である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度当初の研究計画では、パイロットスタディの対象者数をもう少し多く見積もっていたが、希望者が予想より少なかったため計画通りに進行しなかった。平成25年度も再度講演会に参加する不眠高齢者の中から対象者を抽出し、パイロットスタディとして講座を行う予定である。さらに、当初の計画通り経過観察として質問紙調査を実施する。
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Research Products
(4 results)