2013 Fiscal Year Research-status Report
不眠愁訴のある高齢者の入眠潜時短縮を目指すプログラムの短期および長期効果の検証
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24593503
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小松 光代 京都府立医科大学, 医学部, 准教授 (20290223)
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Keywords | 高齢者 / 睡眠健康 / 睡眠障害 / 介護予防 / 不眠愁訴 |
Research Abstract |
今年度は、老人大学や市民健康教室等で質問紙調査を実施し、不眠愁訴或いは睡眠障害のある高齢者を抽出した。質問紙調査の対象者155名(男性86名、女性69名、平均年齢71.9(SD5.5)歳)の平均睡眠時間450(SD72)分、入眠潜時19.1(SD0.6)分であった。ISIによる睡眠障害重症度判定では、軽度異常35.9%、中等度から重度異常12.8%であり併せて約半数に睡眠障害を認めた。睡眠障害は、睡眠維持の障害が特徴的であった。対象者の活動能力や抑鬱状態に目立った問題はないが詳細は分析中である。その後、対象者を選定して測定機器を用いた睡眠実態調査を実施した。今年度は、睡眠障害軽度異常者を対象に睡眠改善講座を開催する計画である。 また、3年前に実施した老人福祉センター利用者を対象に再調査を実施し比較を行った。対象者は、2回の調査で匿名連結化が可能な78名(有効回答率71.6%,平均年令78.7(SD5.9)歳、男性17名、女性61名)であった。対象者の睡眠時間は、3年前422.3(SD81.5)分、現在473.8(SD86.6)分と有意に延長し(p<.05)、活動能力(老研式活動能力指標)が有意に低下した(p<.05)。睡眠効率や規則性、健康状態に変化はなかった。3年前の睡眠健康危険度指標と日中眠気を標準化し、クラスタ分析により、危険度指標、日中眠気が両者良好な47名(以下、良眠群)と不良な28名(以下、不眠群)に群分けしたところ、不眠群は37.3%を占め、睡眠効率は、良眠群が有意に高かった。両群の3年後を比較すると、平均年齢や睡眠時間に差がない一方で、健康状態や睡眠効率は良眠群が高かった。3年前には差がなかった活動能力とGDS5は、GDS5のみ不眠群1.0(SD1.1)が良眠群0.5(SD1.0)より有意に高かった(p<.01)。両群は、以前より健康状態に差があり睡眠障害か健康問題のいずれが先行していたかの詳細は不明だが、一旦生じた睡眠障害は持続し、放置された睡眠障害は、うつ得点上昇を招くリスクとなることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に沿って、継続調査や追加調査を実施できており、概ね計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、これまでの調査結果やパイロットスタディを踏まえて本格的な介入を実施すると共に、これまでの成果を公表する予定である。
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Research Products
(2 results)