2015 Fiscal Year Annual Research Report
不眠愁訴のある高齢者の入眠潜時短縮を目指すプログラムの短期および長期効果の検証
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24593503
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
小松 光代 同志社女子大学, 看護学部, 教授 (20290223)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高齢者 / 睡眠健康 / 睡眠潜時 / 中途覚醒 / 不眠 / 生活習慣 / 精神健康 / 介護予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、最終年度であり介入結果から成果報告を中心に実施した。 質問紙調査による睡眠健康危険度得点と睡眠効率を標準化しクラスタ分析により睡眠良好群と睡眠不良群に分類した。不良群は、睡眠時間が有意に長く寝付きにも時間を要し、中途覚醒、夜間排尿回数が多かった。健康状態、活動能力、精神的健康状態(GDS)、 不適切な生活習慣が特徴的であった。 不良群(睡眠障害軽度以上)を対象に睡眠健康教室(以下、教室)を実施し、参加高齢者(以下、参加者)のグループワーク(以下、GW)及び自己評価記録の分析から参加後の睡眠状態と自ら設定した睡眠健康に関する生活習慣目標の実践状況を分析した。GWは、初回に睡眠状態の主観的評価、第2回に生活習慣改善の目標設定と睡眠日誌(以下、日誌)記入の説明、第3回は日誌の自己評価、第4回目標達成と生活習慣実践状況、3ケ月後に第5回、教室後の睡眠状態と生活習慣実践状況を質的記述的に分析した。 参加後、睡眠状態の変化はないが、睡眠潜時が34分~27分、日中眠気41%~36%となった。初回には、中途覚醒や早朝覚醒、入眠困難、熟眠感の低下等の問題をあげ、改善目標「規則正しい生活」「就寝前の筋弛緩体操」「ウォーキングや運動」等を設定した。日誌から「意外と睡眠良好、年齢相応」「中途覚醒の原因がわかる」「活動量が少ない翌朝早く覚醒」「寝付きが悪い翌日の寝付き良好」と評価し、教室後の生活習慣は、「規則正しい生活」と「安定したリズムの継続」「就寝前の筋弛緩体操」を実践していた。成果は「より深い睡眠への欲求出現」「内服頻度の減少と寝付き改善」、「排尿回数減少」等であった。 高齢者の睡眠障害は多様な要因が関連するが、GWや自己評価記録では個々の気づきや改善点を認め、個別と集団を組み合わせた健康教室が睡眠健康に関する生活習慣の改善に寄与できる可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)