2012 Fiscal Year Research-status Report
女性アルコール依存症の回復支援システム開発に関する研究
Project/Area Number |
24593513
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
山下 亜矢子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (90614363)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 回復支援 / 性差医療 / アルコール依存症 / 女性 / システム構築 / アディクション / 看護 |
Research Abstract |
本研究の目的は,地域における女性アルコール依存症者の回復支援システムを開発することである。本研究では,実現可能な女性アルコール依存症者の回復支援システムモデルを提示するために,国内の女性アルコール依存症者に対する回復支援の現状と課題を明らかにしていく。その方法として,アルコール依存症治療施設や回復支援機関,治療共同体へのフィールドワークやインタビュー調査,質問紙調査を実施する。 平成24年度は,日本における女性アルコール依存症の性差を考慮した回復支援の現状と課題を明らかにすることを目的に,①アルコール依存症治療施設や治療共同体へのフィールドワーク,②女性アルコール依存症者へのインタビュー調査,③アルコール依存症治療施設および精神保健福祉センター,女性自助グループ代表者に対し,無記名自記式質問紙調査を実施した。 フィールドワークでは依存症からの回復のためのアルコール依存症治療施設から自助グループへの参加継続には,看護師やピアサポートなどのキーパーソンの存在が不可欠であることが明らかとなった。質問紙調査の結果では,女性アルコール依存症者の回復支援に携わる依存症治療医療施設67か所,精神保健福祉センター 23か所,女性アルコール自助グループの代表者27名より調査協力が得られた。女性アルコール依存症の回復支援に対する課題として,アルコール依存症治療施設では「気分障害や摂食障害などの精神科合併症の管理」,精神保健福祉センターでは「女性の性差を考慮した回復支援体制の整備」,女性アルコール自助グループ代表者では「自助グループ(女性のみ参加)への参加継続」が最も多く挙げられた。回復支援プログラムにおいて男女混合であると「女性の参加数が少数であること」が回復に支障を及ぼしやすいこととして明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在,日本における女性アルコール依存症の性差を考慮した回復支援の現状と課題について,アルコール依存症治療施設や回復支援機関,治療共同体に対しフィールドワークやインタビュー調査,質問紙調査を実施しており,データ収集は順調に行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のデータと新たなインタビューから得られたデータやフィールドワークから分析をさらに進めていく。現在,女性アルコール依存症者を対象にしたインタビュー調査では対象者数が8名と少数であるため,今後さらにデータ収集を行い,質的帰納的分析により結果を一般化していく。文献検討をさらに深め,調査結果について臨床や回復支援に関わる実践者からスーパーバイズを受けることでも考察を深め,成果発表を行う。調査結果を統合し,回復支援システムモデルを提示していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
岡山市内および東京への調査やフィールドワークへの事前準備として打ち合わせ,成果発表のための学会出張に関する旅費,会議開催に必要な会議費について支出の予定である。成果発表においては学会誌投稿に必要な翻訳料なども支出していく。また,調査結果について臨床や回復支援に関わる実践者からスーパーバイズを受けるための人件費を支出する。 平成24年度に実施した質問紙調査結果を研究報告書としてまとめ、研究成果を還元していく。
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Research Products
(2 results)