2014 Fiscal Year Annual Research Report
女性アルコール依存症の回復支援システム開発に関する研究
Project/Area Number |
24593513
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
山下 亜矢子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (90614363)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アルコール依存症 / 女性 / アディクション / セルフヘルプグループ / 多機関連携 / 地域包括支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,地域における女性アルコール依存症者の回復支援システムを開発することを目的とし,回復支援体制の現状と課題,回復に必要となる要因について調査を行った。 平成26年度はデータ分析をさらに進め, 研究結果をまとめた。 日本における回復支援体制の現状と課題について,全国のアルコール依存症治療施設代表者67名,自助グループ代表者27名,回復支援機関代表者23名を対象に実施した質問紙調査では,女性アルコール依存症者に限定した回復支援プログラムを治療施設33か所(49.3%),自助グループ24か所(88.9%),回復支援機関10か所(43.5%)で実施していた。回復支援において特に重要な要因として,治療施設は「気分障害や摂食障害などの精神科合併症の管理」,自助グループは「自助グループ(女性のみ参加)への参加継続」,回復支援機関は「女性の性差を考慮した回復支援体制の整備」が明らかとなった。また,回復支援への課題について,3機関をマトリックスの形に整理し,分析した結果,【相談体制の整備】【医療体制の整備】【治療継続支援】【地域における回復への支援】【普及啓発活動の推進】【多機関連携による支援体制の整備】【家族支援体制の整備】【子育て・家事支援】の8カテゴリーが生成され,ライフステージを考慮した回復支援の必要性が明らかとなった。断酒3年以上の自助グループ代表者は自助グループ参加により,【回復の実感を得る】【依存症患者の回復を願う】【スピリュチュアルな体験】という体験を得ていたことから,回復に向けたレジリエンス向上への支援の必要性が示唆された。女性アルコール依存症者8名を対象にしたインタビュー調査では,回復に必要となる要因として,早期介入に向けた情報提供システムの整備が示唆された。 今後は,回復支援システム構築に向け,早期介入への教育資材の開発や回復に関連するレジリエンス促進要因を明らかにすることが課題である。
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Research Products
(4 results)