2012 Fiscal Year Research-status Report
精神障がい者に対する「自尊心回復グループ認知行動看護療法」の効果
Project/Area Number |
24593515
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagawa Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
國方 弘子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (60336906)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 看護学 / 精神障がい者 / 自尊心 / 認知行動看護療法 / リハビリテーション |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、精神障がい者が在宅生活を維持・促進できることをねらいとし、研究代表者が構築した「自尊心回復グループ認知行動看護療法(以下、プログラム)」の看護介入を実践し、介入効果を測定することである。 方法として、プログラム介入群(プログラムと薬物療法と精神療法を受けている在宅生活の精神障がい者)と非介入群(薬物療法と精神療法のみを受けている在宅生活の精神障がい者)を募集し、プログラム介入群に対しプログラムを実施した。 プログラム介入効果の指標として、主観的データ(自記式質問紙調査)と客観的データを用いた。自記式質問紙調査の内容は、人口学的要因、臨床特性、Rosenbergの自尊心測定尺度(Rosenberg)、気分を評価するPOMS(Lorr)、心の健康度と疲労度(WHO)で構成した。客観的データとして、精神症状を評価するBPRS(Overall)、内服量、活動状態を測定した。 測定時期は、プログラム介入群に対し、介入前、介入直後、介入3月後、介入12月後、介入18月後とし、非介入群に対しても同様な時期に測定中である。 現在、介入群に対しプログラムを実践中であるが、プログラムを終了した対象について分析した結果、心の健康度と疲労度の得点は、プログラム実施前に比較し実施後に有意に高得点となり(p<0.05)、対象者はプログラム実施後に心の健康度が高く疲労度が低くなったと認識していた。自尊心の中央値について、プログラム実施前は25.0点であったが、実施後は27.5点に上昇し、自尊心が回復していた。 精神症状の中央値について、プログラム実施前は39.0点であったが、実施後は27.0点に有意に低下し(p<0.001)、観察できる精神症状はプログラム実施後に有意に減少していることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者が構築した「自尊心回復グループ認知行動看護療法」を4つのグループに対し介入し、その効果を測定するように計画していたが、現在3つのグループに対し介入が終了した。 予定している対象人数に介入が終了していないが「おおむね順調に進展している」と評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、新たな対象者にプログラム介入を続けるとともに、プログラムを実施した対象者に介入3月後、12月後、18月後のデータ収集を行い、非介入群との比較を行う予定である。 対象数を増やすために、プログラム参加への募集を有効に行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在介入実践しているプログラムについての教材を作成する。また、研究会参加旅費、図書の購入等を予定している。
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