2013 Fiscal Year Research-status Report
精神障がい者に対する「自尊心回復グループ認知行動看護療法」の効果
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24593515
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Research Institution | Kagawa Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
國方 弘子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (60336906)
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Keywords | 看護学 / 精神障がい者 / 自尊心 / 認知行動看護療法 / リハビリテーション |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、研究代表者が構築した「自尊心回復グループ認知行動看護療法(以下、プログラム)の看護介入を実践し、介入効果を測定することである。方法は、在宅生活をしている精神障がい者のうちプログラム介入群と非介入群を募集し、プログラム介入群に対しプログラムを実施した。プログラム介入効果の指標として主観的データ(自記式質問紙調査)と客観的データを用いた。自記式質問紙調査の内容は、人口学的要因、臨床特性、Rosenbergの自尊心測定尺度(Rosenberg)、考え方のクセを知るテスト(田島)、気分を評価するPOMS(Lorr)、心の健康度と疲労度(WHO)で構成した。客観的データとして、精神症状を評価するBPRS(Overall)、内服薬量、活動状態を測定した。測定時期は、プログラム介入群に対し、介入前、介入直後、介入3月後、介入12月後、介入18月後とし、非介入群に対しても同様な時期に測定中である。介入3月後までの対象者41名のデータを分析した結果、以下のことが明らかになった。測定時点における内服薬量は差がないことを確認した上で、(1)自尊心は、介入前に比較し介入直後と介入3月後において有意に高得点であり自尊心は向上していた。(2)POMSのうち緊張不安は、介入前に比較し介入3月後に有意に低下していた。疲労と混乱は介入前に比較し介入後に有意に低下した。(3)心の健康度は、合計点が介入前に比較し介入後に有意に高得点であり心の健康度が向上していた。心の健康度のうち、自信と精神的なコントロール感は介入前に比較し介入直後と介入3月後において有意に高得点であった。(4)PBRSは、介入前に比較し介入直後と介入3月後において有意に低得点であり精神症状は改善していた。以上から、自尊心、緊張-不安、自信、精神的なコントロール感、精神症状の改善効果の持続が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「自尊心回復グループ認知行動看護療法」を4つのグループに対し介入し(プログラム介入群)、その効果を想定するように計画していたが、現在4つのグループに対し介入が終了した。現在、プログラム介入群で介入を終了した対象者は41名であり、予定しているプログラム介入群の対象(100名予定)には未だ到達していない。、非介入群の対象者は予定通り(30名)データの収集が進んでいる。以上より、「おおむね順調に進展している」と評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、新たな対象者を可能な限り募集しプログラム介入を続けるとともに、プログラムを実施した対象者に介入3月後、12月後、18月後のデータ収集を行い、非介入群との比較を行う予定である。また、プログラム介入群の活動状態を分析する予定である。 次年度は、プログラム介入後の縦断研究で得た成果(介入3月までの分析)を国際学会で発表するとともに、学会誌に投稿する予定である。そのための旅費と英文翻訳料が必要となる。プログラム介入を継続するための旅費と謝金も必要である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果の発表予定の回数が少なかった。 次年度は介入3月までの成果を、国際学会で発表予定である。
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