2014 Fiscal Year Annual Research Report
精神障がい者に対する「自尊心回復グループ認知行動看護療法」の効果
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24593515
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Research Institution | Kagawa Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
國方 弘子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (60336906)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 精神障がい者 / 自尊心 / 認知行動療法 / 在宅生活 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、研究代表者が構築した「自尊心回復グループ認知行動看護療法(以下、プログラム)の看護介入を実践し、介入効果を測定することである。方法は、在宅生活をしている精神障がい者のうちプログラム介入群(n=41)と対照群(n=21)を募集し、プログラム介入群に対しプログラムを実施した。プログラム介入効果のアウトカム指標として主観的データ(自記式質問紙調査)と客観的データを用いた。自記式質問紙調査の内容は、人口学的特性、臨床特性、Rosenbergの自尊心測定尺度(Rosenberg)、認知の偏りを測定するテスト(田島)、気分を評価するPOMS(Lorr)、心の健康度と疲労度(WHO)で構成した。客観的データとして、精神症状を評価するBPRS(Overall)、精神神経病薬1日服用量、活動状態を測定した。測定時期は、介入前、介入直後、介入3月後、介入12月後である。分析結果、以下のことが明らかになった。両群の介入前の特性、精神神経病薬1日服用量に差はなかった。測定時点における群別の精神神経病薬1日服用量も差がなかった。(1)介入群の介入直後、介入3月後、介入12月後の自尊心は、介入前に比較し有意に高得点であり自尊心は向上した。(2)介入群の介入3月後のPOMSのうち緊張不安、抑うつ落ち込み、混乱は、介入前に比較し有意に低下した。介入直後の疲労は介入前に比較し有意に低下した。(3)介入群の介入3月後の認知の偏りは、合計点、べき思考、思い込み、自己批判、白黒思考が有意に低得点であり認知の偏りは改善した。(4)心の健康度の介入直後と介入3月後の自信は、介入前に比較し有意に高得点であり心の健康度が向上した。介入3月後と介入12月後の精神的なコントロール感は介入前に比較し有意に高得点であった。(5)PBRSは、全ての時期で介入前に比較し有意に低得点であり精神症状は改善していた。
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