2014 Fiscal Year Research-status Report
中高年女性における尿失禁に関する介入研究:ランダム化比較試験
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24593521
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
田尻 后子 佛教大学, 保健医療技術学部, 准教授 (00369810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
霍 明 姫路獨協大学, 医療保健学部, 准教授 (60383098)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 尿失禁 / 中高年 / 尿失禁体操 / 腹横筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
女性の尿失禁の改善に向けてインナーマッスルを使いながら、腹横筋を鍛えることで骨盤底筋群も鍛えらる、という基礎研究(tajiri J.Phys.Ther.Sci, 22(4) pp451-454)を基に体操の介入を実施した。また、その評価として腹横筋厚を測定した。対象は過去1ヵ月に1回以上尿失禁経験のある女性(平均52.1±9.5歳)。 評価項目は腹横筋厚であり,動作は肛門を締め腹部を凹ませる時(腹横筋と骨盤底筋群の同時最大収縮)である。測定方法:測定肢位は仰臥位で下肢は90度屈曲位。超音波診断装置(SonoSite 180 PLUS,Bモード,5MHzリニアプローブ)を使用。測定部位は右前腋窩線における肋骨縁と腸骨稜の中央とし、測定動作課題は腹部を凹ませて肛門を締める(腹横筋と骨盤底筋群の同時最大収縮)動作をそれぞれ2セット実施する。介入方法:体位は、仰臥位で下肢は90度屈曲位とする。介入前にアンケート(属性、尿失禁の程度、頻度など)を実施する。腹横筋と骨盤底筋群同時最大収縮動作を用いた尿失禁体操を20回/セット,1-2セット/日,4-6セット/週を12週間実施する。(初回に体操指導を実施し、その後も定期的にフォローする)。その結果、8週間両筋同時収縮した者がしなかった者より有意に筋厚が増え(筋力が増した)、尿失禁の経験も9名中8名は改善できた。(投稿:Effects of Co-conteaction of Both Transverse Abdominal Muscle and Pelvic Floor Muscle Exercises for Stress Urinary Incontinence:A Randomized Controlled Tria.l J.Phys.Ther.Sci.26:1161-1163.2014) 上記の研究は腹横筋を用いた骨盤底筋群体操効果の比較検討(体操群と非体操群)を実施した。この結果、8週間という短期間でその体操の効果が認められた。この結果を受け、今後、広く一般に尿失禁改善の為の骨盤底筋群体操として指導していくためのエビデンスが得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今回の研究により、女性を対象とした、腹横筋を用いた骨盤底筋体操の効果があるとのエビデンスが得られた。その体操指導を推進する為に指導媒体としての指導内容や方法、一般向けのパンフレット作成を計画をしている。また、わかりやすい指導内容にするためにイラストを取り入れる試みなど工夫をしている途中であり、その指導時の媒体作成に手間取っており、研究計画がやや遅れた状態になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、対象者を増やし、より信頼性・妥当性の高い結果として介入効果を明らかにしたい。また、今まで広く実施されてきた腹横筋を使わず、肛門括約筋のみを収縮させる体操(キーゼル体操)との比較検討も必要であると考える。 しかし、今回の研究で腹横筋を用いた両筋同時収縮骨盤底筋群体操が短時間での効果が認められたので、女性の60%が尿失禁を体験している現状から、一般的にこの両筋同時収縮骨盤底筋群体操を日常生活の中に取り入れ、より簡便に続けられるように体位の工夫や補助具の開発を行い、尿失禁の予防、改善に向けて活動を行いたいと考える。一般の人々へ、分かり易く体操を実施できるようにパンフレットの作成も計画している。
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Causes of Carryover |
平成26年度までに女性の尿失禁に関する指導パンフレットの作成を予定していたが、なるだけ一般の人々に分かりやすく、イラストや図などを取り入れた内容にする為、原案、草稿に時間を要し作成、発行に至らなかった。また学会発表予定をしていたが、研究のデータ収集、分析などの遅れにより研究発表までに至らず、平成27年度に実施することとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
尿失禁における指導用パンフレットの作成と学会発表を実施する予定である。
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