2014 Fiscal Year Annual Research Report
がん看護臨床での「家族-医療者コンフリクト」の予防的看護介入スキルの開発
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24593531
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
柳原 清子 東海大学, 健康科学部, 教授 (70269455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 玲子 東海大学, 健康科学部, 准教授 (80349414)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 意思決定支援 / 家族内調整スキル / 家族-医療者調整 / 円環的コミュニケーションスキル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的は、がん臨床で看護師がいかに、家族内、および家族-医療者間での軋轢や紛争の(予防を中心とした)調整介入ができるかであり、そのためのスキル開発と普及であった。3年目の当該年は、円環コミュニケーションアプローチの広報と評価であり、アクションリサーチで、実施・評価を行う計画とした。 広報に関しては、家族看護学会や各種の研修会で発表し、大枠として現場で使えるものであることの手応えは得た。当初、書籍化を考えていたが、ビデオ学習の「ナーシングスキル・日本版」に取り入れられることになり、広く広報する目的は達成できた。 一方、家族内調整と家族-医療調整を同時に行っていく(「家族関係パターン7」と「家族-看護師パターン10」の融合)介入パターンを4パターン見出した。すなわち:①大きな出来事に衝撃を受け危機的状況にある『茫然自失型』と②我流を押し通しその場をしのぐ『先送り型』、③言い訳とちぐはぐさが目立つ『言い訳型』、④医療者に過度な要求や怒りをぶつけてくる『要求・怒りぶっつけ型』があり、それらの特徴に合わせた調整介入である。家族看護研究会等で検討を重ねる中で、この4パターンの実践の中では、パターンに亜流があるのではないか、という議論になり、再検討に入ることとなった。 一方、研究者が作成した「患者・家族意思決定支援モデル」は、各人の文脈(自己認識・関係認識・状況認識)と家族文化・医療文化から、細かな意向のすり合わせを為して、妥当な線を導き出して行く方法であるが、この基本となる「システム的な円環コミュニケーション」のアプローチの必要性は、現場に受け入れつつある。上記に述べた、介入パターン化に時間がかかり、「システム的円環コミュニケーション」の効果測定までには至っていず、今後も継続の予定である。
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