2013 Fiscal Year Research-status Report
訪問看護の専門性が評価できる利用者満足度尺度の開発
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24593535
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
藤田 淳子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (10553563)
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Keywords | 利用者満足度調査 / 在宅看護 |
Research Abstract |
平成25年度の研究計画は、1.質管理とその中の1方法としての「利用者満足度調査」のあり方を検討する、2.インタビュー調査から訪問看護の質を評価する視点を抽出する、3.これらの結果を照らし合わせて利用者満足度調査の概念枠組みを整理する、であった。 1.質管理及び利用者満足度調査のあり方の検討に関しては、諸外国の在宅ケアの質指標に関する文献検討及び関連する公的機関のホームページや発行している報告書などをもとに、質を評価する視点について整理した。具体的には、カナダのオンタリオ州の質指標と評価方法、オランダの質指標と評価方法、ヨーロッパの諸外国の質指標項目について整理した。日本の現状と比較し、質評価の視点としてストラクチャー・プロセス・アウトカムの3側面から多様な項目があること、在宅ケア提供者の制度的な違いがあることがわかった。これらを踏まえて、日本の現状に合わせて、ストラクチャー・プロセス・アウトカムの側面から質管理方法を総合的に検討し提案していく必要があることを考察した。 2.訪問看護の質を評価する視点の抽出に関しては、5名の訪問看護管理者へインタビューを実施した。質的に分析した結果、評価したい視点として、「説明」「利用者理解」「訪問看護の効果」「予測的対処」「チームケア」「接遇」の6要素が抽出された。また、現状の利用者満足度調査の課題や意向として、「高齢者など多数いる回答困難者への対応」「数値だけでなく自由記載により具体的内容を把握する必要性」「質改善につなげるために調査方法を検討する必要性」「他職種への利用者満足度調査の検討」が挙げられた。 3.利用者満足度調査の概念枠組みの整理に関しては、2.の結果をもとに、引き続き、有識者等のディスカッションをへて洗練させていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、1.質管理及び利用者満足度調査のあり方の検討、2.訪問看護の質を評価する視点の抽出、3.利用者満足度調査の概念枠組みの整理を目的とした。1、2については概ね実施できたが、3.概念枠組みの整理に関しては、十分な検討には至っていない。介護保険サービスの質評価のあり方については、現在でも、様々なところで議論が続いている(介護報酬改定検証・研究委員会等)。これらの動向もおいつつ十分な検討をしないと、現場での活用にいかされない結果となることが予測される。よって、引き続き様々な分野の有識者とのディスカッションを行い、十分な検討が必要であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は以下のように研究を推進する計画である ①平成25年度までの調査結果をもとに、有識者による専門家パネルなどのディスカッションを複数回行い、利用者満足度調査の概念枠組みを作成する ②具体的な質問項目について、①と文献検討を踏まえて作成し、有識者とのディスカッションにより洗練させる。 ③利用者満足度調査票(案)を作成しプレテストを実施する
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度において、有識者等とのディスカッションの機会が十分えられなかったため、平成26年度への積み残し課題として残った。平成26年度は、有識者による専門家パネルなどのディスカッションを複数回行い現在の制度の流れも踏まえて十分な検討を行い、、利用者満足度調査の概念枠組み及び質問項目の作成する予定である。また、作成した利用者満足度調査についてプレテストの実施に関する諸費用について研究費を使用する必要がある。 有識者との専門家パネルや意見交換の実施のために、有識者への謝礼、交通費、会議室代等を使用する。 利用者満足度調査(案)の作成とプレテストの実施では、調査用紙の作成代、郵送代、謝礼、アンケート結果の入力に関わる経費等を使用する計画である。
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