2014 Fiscal Year Research-status Report
訪問看護の専門性が評価できる利用者満足度尺度の開発
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24593535
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
藤田 淳子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (10553563)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 訪問看護 / 利用者満足度 / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、①利用者満足度尺度の枠組みと質問項目の作成、②パネルディスカッションによる質問項目の洗練、③プレテストを実施した。 ①においては、国内外の文献レビューやインタビュー調査をもとに利用者満足度尺度の枠組みと質問項目案を作成した。②においては、訪問看護管理者や有識者とディスカッションを行い、内容の妥当性を確認し、また、難しい表現や意味が重複している項目について整理した。次に、訪問看護利用者9名を対象に、実際に回答してもらい、回答しづらい項目について尋ねて表現を修正した。また、回答分布を確認して回答方法を検討した。③において、調査方法は、444か所の訪問看護ステーションに、各1名ずつ利用者満足度調査票を配布してもらった。回収は253票で、回収率は57%であった。分析は、項目分析、因子分析、尺度と要因との関連分析を行った。統計的分析結果から、5因子構造15項目が妥当だと考えられた。具体的には、「先を見越したケア」4項目、「意思の尊重」2項目、「24時間支援体制」3項目、「多職種連携」2項目、「サービス効果」4項目であった。次に、利用者満足度調査票への回答とともに、具体的に満足・不満足した内容について自由記載で尋ね、その内容を質的に分析した。質的分析結果から、上記以外には、「変化に応じたケア」が、利用者の満足・不満足につながっていることが示唆された。よって、新たに、「変化に応じたケア」に関する3項目を作成し、追加した。統計的分析結果と合わせた全18項目を、「利用者満足度尺度」とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度に計画された①利用者満足度尺度の枠組みと質問項目の作成、②パネルディスカッションによる質問項目の洗練、③プレテストについて実施することができている。しかし、研究結果の質を高めるために、さらに、追加の調査の必要性があると判断したため、次年度に追加調査予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度作成した利用者満足度尺度について、複数の訪問看護事業所において利用者全員を対象に調査する。調査結果から、尺度の妥当性、信頼性を検証する。
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Causes of Carryover |
今年度、概ね計画通り研究を実施できたが、研究の質を高めるためにさらなる調査の必要性があきらかとなった。また、今年度の研究の一部に関しては、他の研究プロジェクトと一緒に実施できたことで、科研からの研究費の使用を抑えることができた。よって、次年度において、さらなる研究の遂行を実施し、研究を発展させたいと考えた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終的に作成した利用者満足度調査票の信頼性、妥当性を検証する。具体的な使途内容は以下である。①尺度の表現確認のための利用者や訪問看護師へのインタビュー調査(交通費、テープおこし、謝金等)、②利用者時満足度調査の実施(調査票の印刷、封筒、郵送代、データ入力委託費等)。
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