2014 Fiscal Year Research-status Report
脳波と光イメージング脳機能測定による看護における回想法の検証
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24593544
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
徳重 あつ子 摂南大学, 看護学部, 准教授 (30555644)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 回想法 / NIRS / 脳波 / 脳活性 / 看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,認知症を改善させる看護ケアとしての回想法の検証を目的とする.平成24年度は,プレ実験として健康成人を対象とした研究を実施し,平成25年度から施設入居者への実験を行う予定であったが,計画実施が遅れている.平成25年度と本年度はデータ分析を中心に行った.【研究方法】平成24年度実施分 1)対象者 研究の同意を得られた健康成人20名.対象者は公募とし,研究の主旨,目的,研究方法を掲示し,応募した人を対象とした.2)測定項目と測定用具 (1)基礎データ:年齢、利き腕 (2)NIRSデータ(前頭葉のヘモグロビン値):前頭葉の血流変化を近赤外光にて測定した.(3)覚醒度データ:記憶を想起する会話の前後に,日本語版UWIST気分チェックリストにより,気分を構成する「緊張覚醒(tense arousal:TA)」と「エネルギー覚醒(energetic arousal:EA)」の測定を行った.3)測定方法 研究対象者が子どもの頃に流行し,記憶を想起させると考えられる画像を集めた回想画像と,風景等の抽象的な画像を集めた対照画像を用意し,全員に両方の画像を見てもらった.画像は1枚が15秒で,回想画像と対照画像それぞれ40枚ずつの設定とし,回想画像と対照画像の順番は対象者毎にランダムとし,間に5分間の休憩を入れた.その後,回想画像を用いて,研究者と10分間の会話を行った.【研究結果】主観データの分析は25年度に行ったため,測定部位14点におけるNIRSデータの分析を行った.40枚の画像について傾向をみたところ,回想画像よりも対照画像の方がオキシヘモグロビンとトータルヘモグロビンの増加量が有意に大きい部位が多かった。デオキシヘモグロビンの減少量は回想画像の方が有意に大きい部位が多かった.大脳活性については様々な解釈があるため,個別データをみていくこととする。現在,個別データを分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成26年度で研究を終了する予定であったが,計画が遅れていたため期間延長の申請を行った. 新設の大学であるため,初めて行う授業科目の準備や看護学実習についての実習先との調整等があり,研究の時間を十分に確保することが困難であったことが原因である.また私的な理由となるが,同居家族の介護,入院,看取りがあり,研究時間として確保しやすい夕方以降の時間や,土日の時間の大半を奪われる状況であったことが,要因として大きかったと考えている. またデータについても,統計的な検証をするために手作業で生データの整理から行っていることも分析に時間がかかっている理由である。やっと,データ分析にも目途が立ったため,27年度度は遅れを取り戻せるように取り組んでいく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
脳活性の状態の確認のため,まずは脳波による検証を行う予定である.対象者は健康な成人である.その後,施設に入居する高齢者の研究を実施できるよう,現在準備を整えているところである.2016年2月頃までにはデータ測定を終える予定である.
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Causes of Carryover |
平成26年度は,データ分析のみで対象者を立てて研究を実施することができなかったため,被験者謝礼として確保しておいた予算を使用することができなかった.そのため,次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は,合計40人への実験研究を計画している.次年度使用額は,謝礼(4,000円×40人=160,000円)と消耗物品(脳波用ゲル等)の購入,学会発表用費用に使用する.
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