2013 Fiscal Year Research-status Report
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24593550
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Research Institution | Kyushu University of Nursing and Social Welfare |
Principal Investigator |
山本 恵子 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 教授 (60274982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿山 英津子 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 助教 (70588376)
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Keywords | 高齢者 / 老年看護学 / 認知症 / グループホーム / 協働 |
Research Abstract |
認知症高齢者のケアの原点はパーソン・センタード・ケア(利用者を中心にしたケア)である。利用者を中心にした多職種協働の転倒予防は、自身で危険回避が困難な高齢者に必要不可欠であるがその実態を明確にした研究は少ない。 そこで本研究では、熊本県内の認知症対応型共同生活介護(以下、GHとする)のうち、WAM-NETで公開されている全GH217施設を対象に、利用者を中心にした転倒予防の実態について無記名自記式質問紙調査を行った。その結果、106施設から回答(有効回答率48.9%)を得た。転倒予防に関する情報収集・アセスメントは共に105施設(99.1%)が実施し、転倒予防策立案とその評価も其々102施設(96.2%)が実施していた。その過程における利用者と職員の関わり(協働)の実態は、情報収集では行動観察が100施設(94.3%)で話を聞くが87施設(82.1%)であった。アセスメントは残存能力の観察が83施設(78.3%)、援助方法を実施し利用者と共に適切性を確認していたのは56施設(52.8%)であった。 多職種協働で転倒予防を実施していたのは、情報収集は84施設、アセスメントは40施設、転倒予防策立案は33施設、評価は39施設と情報収集以外は、多職種協働介入は40%以下であった。GH内の環境整備では、施設および個人の補助具の定期点検実施は25施設(23.6%)で、利用者の使い勝手を確認しているのは60%程度であった。認知症高齢者の生活を支えるGHにおいて、利用者を中心にした転倒予防は、情報収集・アセスメントの段階では、80%以上できているが、ケアの実際を利用者に確認しているのは52.8%であった。その原因を探るべく第二段階の調査では、利用者の言葉になりにくい声をどのように言語化しているかを半構造化面接で明らかにし、新たな転倒予防策の一助となることを目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では2段階調査を予定し、1段階の無記名自記式質問紙調査が終了し、現在2段階の半構造化面接法による調査を行っている。予定では平成25年度中に第2段階調査を終了する予定であったが、グループホームとの日程調整により時期が平成26年度に及んでいる。 研究を順調に遂行するために、今年度予定している分析も同時並行で行い、成果発表も平成26年度3つの学会でエントリーしている。そのため概ね順調に進展していると自己点検した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度中に第2段階の調査の成果報告を予定しているが、面接調査の日程が夏以降になる場合は、1年の延長申請を検討している。延長に必要な予算配分についても、成果報告の費用を換算し、それを差し引いた金額で平成26年度の研究が推敲できることも確認している。より良い研究成果をあげるためと、調査協力者の負担軽減を考えると、平成27年度の延長申請が妥当であると研究メンバーでは考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に第2段階調査を終える予定で当初は計画していた。しかし、調査対象者との日程調整で、調査の多くが平成26年度に実施することとなったため、第2段階での調査費用およびデータ入力に伴うアルバイト、成果報告の費用が未使用であるため。 平成25年度調査予定であったところは、半数程度調査を実施しており8月までにすべての調査が終えられるように計画している。またデータ入力作業員もすでに確保しており、入力作業を進めている。成果報告は、第1段階調査は平成26年度に、第2段階は本研究を延長申請し、平成27年度に計画することを検討している。しかし、できる限り平成26年度中に第2段階成果も報告できるよう計画中である。
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