2015 Fiscal Year Annual Research Report
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24593550
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Research Institution | Kyushu University of Nursing and Social Welfare |
Principal Investigator |
山本 恵子 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 教授 (60274982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿山 英津子 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 助教 (70588376)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 認知症 / 高齢者 / 協働 / 転倒予防 / グループホーム |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者施設の転倒予防は、リスク予見や事前介入など入居者への職員介入型で行われているが、認知症高齢者ではリスク予見が難しく事前介入も十分とは言えない。そこで、本研究では、視点を入居者参加型の転倒予防策を検討した。認知症対応型共同生活介護(以下、GH)を対象に一次調査(無記名自記式質問紙調査)では、転倒原因の5つの実態と転倒件数との関連を分析し、二次調査では転倒予防における入居者と職員の関わりの聞き取り調査を実施し、入居者参加型の転倒予防策の可能性を検討した。なお、本研究は『入居者参加型』は、入居者自身が転倒予防策を立案するという意味ではなく、認知症ケアの原点であるパーソン・センタード・ケア(入居者を中心としたケア)に立返り、認知症高齢者の発する言動を職員がどのように受けとめ、ケアに活かしているかという入居者と職員の関わりを示している。 一次調査では、介護保険制度導入時は自立度が高かった入居者も時を経て、介護度が高くなり、職員の配置定数は変わらない中、いずれのGHもケアを工夫し入居者の安全を守っていた。入居前からの情報収集、口頭や文書で職員間での共有など多職種協働実施のGHは、転倒予防に成果をあげていた。さらに入居者と共に住まいの環境づくりを行い、定期点検を実施しているGHは、転倒件数増加がないなど入居者参加の重要性が示唆された。 二次調査では、入居者の変化を見逃さず、言語・非言語でのコミュニケーションをとり、入居者変化を職員が共有・ケアの改善につなげ、評価も入居者と家族に確認していた。こうした職員の日々の観察や行動が入居者の転倒予防に寄与していた。 今後の課題として、職員が行っているメッセージの受け止め方、入居者の変化の気づき方、ケアへの活かし方など業務として実施している経験知を誰もが共有し、言語化できる部分は言語化し、伝承することが重要であると考える。
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Research Products
(4 results)