2012 Fiscal Year Research-status Report
脳血管障害患者と家族に対する退院支援プログラムの臨床活用性の検証
Project/Area Number |
24593552
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Shimane |
Principal Investigator |
梶谷 みゆき 島根県立大学, 看護学部, 教授 (00280131)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 家族看護 / 脳血管障害 / 退院支援 / プログラム開発 / 介入評価 |
Research Abstract |
平成24年度は、前年度までの研究によって構築した脳血管障害患者と家族に対する退院支援プログラムの精度を高めることと、平成25年度から臨床現場で本プログラムを実践する看護師の研究協力者の募集を行った。 退院支援プログラムは、脳血管障害を発症した後回復期リハビリテーションが開始された患者とその家族を対象とし、患者と家族双方の「感情の安定化」と「療養生活における目標の共有化」の2つの柱を軸に、1か月半から2か月程度の間で看護師が積極介入するものである。平成23年度までの研究成果では、発症や療養に対する患者と家族の思いの言語化を看護師が促すことにより「感情の安定化」に対しては一定の効果が認められていた。「療養生活における目標の共有化」については、回復イメージとそれに関連する過程がイメージかできるよう、病状と回復に関わる情報提供の充実と情報を解釈し統合できるための意図的な介入が必要であると考え、プログラムの改善を検討した。 また研究組織を形成するために、臨床で看護実践を行っている看護師の募集を行い、5名の看護師に、プログラムの説明と介入力量を高めるための研修を行った。具体的にはカルガリー家族アセスメントと介入モデルを基盤とした基礎知識の拡充、語りを促すインタビュー手法・面接技法のトレーニングを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、対照群を設定しない介入前後比較研究で研究デザインを考えていたが、プログラムの有効性をより明確にするため、対照群を設定した介入前後比較研究に研究デザインを修正した。そのため対照群および介入群の対象者数を拡充する必要があり、研究協力の医療施設ならびに看護師を増やすことが求められている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力を担う医療施設ならびに看護師数を拡充するため、連携研究者の協力を得て、平成25年度は島根県内に加え広島県内でもデータ収集をする計画である。 平成25年度は、新たな協力者に対してもプログラムを展開するための研修の実施を行うとともに、看護師による患者と家族への退院支援プログラムを本格的に展開する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前述のように平成24年度の研究研究計画を遂行する途上で、本プログラムによる介入事例を増やすように研究計画を修正した。その時点で今年度執行予定の研究費が20万円程度残っていたが、平成25年度にあらたに研究協力を依頼する看護師数を増やす必要性があり、賃金の充当目的で残額は全額平成25年度に回すこととした。 平成25年度は、本プログラムを用いた介入事例を増やし、その効果を検証する活動を本格化する予定である。平成24年度の次年度繰り越し分と平成25年度執行予定の予算の多くはデータ収集ならびにデータ処理に関わる看護師への賃金等に充てる計画である。
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