2014 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管障害患者と家族に対する退院支援プログラムの臨床活用性の検証
Project/Area Number |
24593552
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Research Institution | The University of Shimane |
Principal Investigator |
梶谷 みゆき 島根県立大学, 看護学部, 教授 (00280131)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 家族看護 / 介入研究 / 脳血管障害 / 自尊感情 |
Outline of Annual Research Achievements |
回復期脳血管障害患者とその配偶者に対して,研究者が開発した「感情の安定化」と「療養生活における目標の共有化」を図る看護介入プログラムの臨床活用性を確認するための介入比較研究を行った。プログラムは、回復期リハビリテーションを受ける脳血管障害患者と配偶者に対し,10~14日前後の間隔をおいて計3回(介入期間は1か月~1か月半の期間),家族面談についてトレーニングを受けた看護師による面談を展開した。 通常介入をする対照群6事例とプログラムによる介入群6事例を対象として,家族機能評価尺度(Family Assessment Device:以下FADとする)とローゼンバーグ自尊感情尺度を用いた量的評価と,看護師による患者と配偶者の認知・行動的な変化の確認や,対象者へのインタビューによる質的評価によって比較した。 対照群,介入群ともに,脳血管障害発症後1か月頃の患者と配偶者はFAD上では「情緒的干渉」や「情緒的反応」などの感情面や「役割機能」「コミュニケーション機能」などで家族機能の低下が認められた。対照群は家族機能の改善が乏しいか、緩やかであるのに対し,介入群では「情緒的干渉」や「情緒的反応」「全般的機能」などの面で安定化する傾向が認められた。事例数の限界があり統計的な有意差は明確にはできなかった。自尊感情尺度では,介入後に高まる傾向は認めたものの,明確な差は確認できなかった。しかし,介入群の患者と配偶者は介入を肯定的に評価しており,関わった看護師は患者と配偶者のコミュニケーションパターンの改善を認めていた。 今後の研究でさらに各群の事例数を増やすとともに(各群目標15事例程度),年齢や障害のレベル,家族背景などのマッチングを行い,群間比較を統計的に行う計画である。
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Research Products
(1 results)