2014 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの生活習慣と体温調節機能の発達に関する研究ー熱中症予防の観点からの提案ー
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24600004
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
田中 英登 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (60163557)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 熱中症 / スポーツ活動 / 夏季運動時間帯 / 暑熱順化 |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度は研究の最終年度として、以下の実験調査及び3年間のまとめを行った。 実験調査としては、過去2年間で実施できなかった子どもの発汗機能の生活習慣、スポーツ種目及び季節変動に関して、小学生を対象に実施した。一定温熱刺激時の発汗量を体重変化より春季及び夏季の2階層検定を行い、その結果、発汗量の季節差は、サッカークラブ所属の子どもたちは顕著に夏季増加を示したが、水泳クラブ所属群及び非運動習慣群は春季と比して発汗量増加は見られなかった。この結果は、昨年度までに実施した成人の結果を反映するとともに、新しい発汗反応の季節変化の知見を示すものであった。すなわち、運動習慣群は非運動習慣群よりも春季から夏季における発汗量の増大は大きいことが成人調査から明らかにされ、サッカークラブの子どもにおいて同様の傾向が示されたが、成人で調査対象としなかった水泳運動習慣群で下記の発汗量の増加がみられなかったことは、発汗量の季節変動にスポーツ種目差が存在する可能性を示唆するもので、新しい知見ととらえられる。今後、成人においてこの発汗反応の季節変動に関するスポーツ種目差について新たに調査を計画したいと考えている。 24年度から実施してきた調査研究のまとめとして、「発汗量の季節差」と「夏季運動時刻に関する調査」の結果を、学会発表および研究論文としてまとめた。今後は、さらに、これらの成果を一般に広めることを目的として、熱中症予防に関する講演活動を行う予定である。
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