2013 Fiscal Year Research-status Report
子どもの健全な発達のための親子支援―継続的介入と体験活動が及ぼす効果について―
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24600022
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Research Institution | Japan Lutheran College |
Principal Investigator |
田副 真美 ルーテル学院大学, 総合人間学部, 准教授 (40459946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 奈緒子 文教大学, 教育学部, 教授 (40306189)
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Keywords | 体験活動 / 事前研修 / 自律神経活動 / 心理検査 / 親支援 / 認行動療法 |
Research Abstract |
平成24年度実施した宿泊を伴う体験活動に参加した児童・生徒とその保護者(児童・生徒18名(平均年齢12.83歳,7歳~23歳)、保護者15名)のデータを解析し、結果を報告をした。【学術論文】成田奈緒子、成田正明、田副真美.自閉症スペクトラム児における統合型HTP法を用いた描画の経時的変化、子どもの心とからだ22-3、175-182、2013 【学会発表】北村くるみ、佐藤佳奈、小澤有希、小関英里圭、今泉奈津季、 岡戸奈都子、樋口大樹、若林祐子、田副真美、成田正明、成田奈緒子 キャンプを用いた発達障害児の家族支援(3)‐継続施行による効果の総合的評価の試み‐ 第48回日本発達障害学会研究大会 2013.8.24‐25 東京 また、継続施行による効果の総合的評価および、保護者における統合型HTP法を用いた描画の解析のデータを解析し検討中である。 平成25年度調査では、12月7日に事前研修を行い、対象児童・生徒から生活調査票、心理検査より基礎データを採取した。また、自律神経分析加速度脈波計パルスアナライザープラスを用いた自律神経活動分析を行った。保護者からも同様の基礎データ採取し、SDS、STAI、POMSを実施した。この際に研究代表者・研究分担者が、研究と実践介入の内容につき詳細に説明し、同時に、その理論的根拠をわかりやすく講義をして意義を理解してもらった。実際の介入活動としては、体験活動を平成25年12月28日、あたご天狗の森スカイロッジにおいておいて宿泊を伴う体験活動を実施した。児童・生徒13名、保護者13名の参加であった。介入活動としては、1泊2日の宿泊と自然体験プログラムなどの体験活動を行い、児童・生徒は、学生ボランティアの協力で、体験活動の前後にPOMS、唾液アミラーゼ濃度変化測定、TAS9による自律神経活動測定を行い、体験活動の短期的影響を測定した。保護者は、研究代表者・分担者によるワークショップや認知行動療法プログラムの前後でのPOMS、STAIを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、子どもへの介入のみならず親支援にも力点を置いて、その効果を包括的かつ継続的に検証するものである。宿泊を伴う体験活動やリズム遊びを使った継続的な研修のプログラムを構成して、子どもと親それぞれに効果的に介入し、これにより子どもをとりまくさまざまな環境因子、すなわち家庭生活における生活習慣や心理状態、そして親子関係の改善を促し、結果として種々のパラメータで測定した子どもの脳機能を検証して健全な発達に必要な要因を探ることを目的としている。平成25年度に実施した研究では、宿泊を伴う体験活動と事前研修を実施し、継続的な研修プログラムが実施できた。また、予定していた心理検査、自律神経活動の検査も実施できた。 平成24年度のデータをまとめ、学科発表およびに学会誌に研究結果を報告した。 以上のことから、平成25年度の調査については、研究目的に必要なデータは収集できたが、分析がまだ終了していないため、おおむね順調に進んでいると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題では、平成24年度介入した児童・生徒および保護者に対して、一年程度期間をあけた段階で再度同じ調査を行って長期効果につき検証した。さらに、平成24年度の計画と同様の実践的介入実験を、被験者を変え、介入の内容を変えて平成25年度に実施した。平成26年度は、各プログラムの有用性を検証し、プログラムの開発にも視点を置き、実践的介入実験を、被験者を変え、有用な介入プログラムを実施し、検証する予定である。同時に、可能であれば同一被験者での複数回の介入活動も行い、多方面から分析することで、信頼性のあるデータを求めていく。そしてこれら集まったデータは、様々なパラメータを考慮して統計学的解析をかけ、実践の効果を判定する。また、継続施行による効果の総合的評価を行う。本研究課題の遂行により得られた結果は、最終年度にかけて総合的にまとめていく。また、得られた結果を随時、学会発表、論文により公表していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学会参加予定が中止となり、旅費の申請が必要なかった。 平成26年度の学会参加旅費に使用予定。
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Research Products
(4 results)