2013 Fiscal Year Research-status Report
青少年向けメンタリング・プログラムの生涯発達への有効性に関する研究
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24600023
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
渡邊 かよ子 愛知淑徳大学, 文学部, 教授 (90220871)
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Keywords | 青少年 / メンタリング / メンター / 生涯発達 / 地域 / コミュニティ / ボランティア |
Research Abstract |
青少年向けメンタリング・プログラムの生涯発達への有効性を異文化の視点から検証するため、以下を実施した。①<研究レビューとメンタリング運動の動向調査>:「ニュージーランドの青少年支援に向けたメンタリング運動に関する考察」『愛知淑徳大学論集-文学部・文学研究科篇』39、「米国の社会的養護(フォスターケア)の下で育つ青少年向けメンタリング・プログラムの展開」『愛知淑徳大学論集-教育学研究科篇』4、「メンタリング・プログラムによる女性プロフェショナル育成の試み:歴史・理論・概要」2013年7月14日、日本コミュニティ心理学会第16回大会、自主シンポジウム6「メンタリング・プログラムによる女性プロフェショナル育成の試み」『日本コミュニティ心理学会第16回大会プログラム発表論文集』45 頁、等を発表。 ②<日本の各種継続的個別支援運動の分析>:昨年発表した論文の精査と資料収集。③<生涯発達とメンタリングに関する調査>:広島市での今日に至るプログラム評価として、 Multi-facet Triangular Evaluation of Youth Mentoring Program Implemented in Hiroshima, Japan, SCRA (Society for Community Research and Action) 2013 Biennial Conference, June 27, 2013, 米国University of Miami, School of Education & Human Development, (Naotaka Watanabe, Kaoru Nakajima, Toru Sanoとの共同発表), Conference Program, p.185.を発表。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
青少年向けメンタリング・プログラムの生涯発達への有効性の異文化視点からの検証に向けた以下の三つのアプローチはそれぞれ順調に進んでいる。①<研究レビューとメンタリング運動の動向調査>:各国のメンタリング運動の動向に関する情報収集を行いつつ、米国で特に近年強力に推進されてきた「特別な支援を必要とする人口集団」である、収監者の子ども、障害を持つ青少年、社会的養護の下で育つ青少年のためのメンタリング・プログラムの現段階までの動向の概括を完了した。また異文化としてのメンタリング・プログラムの導入に関する事例研究として、ニュージーランドのメンタリング運動の歴史と実態についての概要把握を完了し、日本が学ぶべき知見をまとめた。②<日本の各種継続的個別支援運動の分析>:各国でメンタリング運動の中核となってきたBBBS運動と日本のBBS運動の特異性の分析に関する論文発表は完了した。近代日本におけるメンターの翻訳や用語の変遷に関する資料収集はほぼ完了しているものの、断片的資料の集積で未だ研究発表には至っていない。③<生涯発達とメンタリングに関する調査>:広島市青少年支援メンター制度の成果に関する定量的分析と定性的分析をほぼ完了し、同プログラム全体としての評価分析は概ね終了している。前年度より開始した同プログラムに参加しているメンター個人への半構造的面接調査は始まったばかりであるが、論文執筆に向けた大変貴重なインタビューが蓄積されつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
3年間の本研究の最終年度にあたり、これまで実施してきた三つのアプローチのそれぞれを完了させると共に、これら三つのアプローチから得られた知見を統合し、青少年向けメンタリング・プログラムの生涯発達への有効性を異文化の視点から検証する。①<研究レビューとメンタリング運動の動向調査>と②<日本の各種継続的個別支援運動の分析>については、概ね論文執筆を完了しているが、③<生涯発達とメンタリングに関する調査>が最終年度である平成26年度の最重要中心課題となっている。すでに国際学会でその概要をポスター発表した広島市青少年支援メンター制度のプログラム評価について、統計分析の精度を高め論文執筆を行うと共に、現在継続中の個々のメンターへの面接調査を急ピッチで実施し、メンタリング運動が未成熟な日本社会・日本文化において、何がメンターにとっての活動の動機づけになり生涯発達とつながっているのか、今年度中にまとめ、生涯発達に関する基礎理論の検討と共に、諸外国での実践事例との比較を行いながら、論文執筆を行いたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計画的に執行していった結果、55円の未使用額が生じた。 次年度に組み入れて使用する。
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