2012 Fiscal Year Research-status Report
地域在住の高齢者ボランティアを活用した小1プロブレムへの介入研究
Project/Area Number |
24600032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
Principal Investigator |
安永 正史 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (00531419)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 小1プロブレム / 新入生学習支援 / 地域高齢者 / ボランティア |
Research Abstract |
本年度の研究目的は、近年、学校現場で小学校入学当初に見られる不適応状況、いわゆる「小1プロブレム」対策として地域在住の高齢者を学習支援ボランティアとして活用する上での役割と課題を明らかにし、それを基にパイロットプログラムを準備,実施することであった。 まず,平成24年5月に申請者が協力関係にある神奈川県横浜市青葉区A小学校にて既に行われている地域住民による新入生支援活動を視察し、支援活動終了後の反省会にて,学習支援ボランティアの役割,課題などの収集を行った。 それらの情報を基に本事業用の「新入生支援マニュアル」の作成を行った。その間,申請者と協力関係にある神奈川県川崎市S小学校長にパイロットプログラム実施の協力を要請するとともに、同小学校のボランティアコーディネーターとともに実施に向けた準備を進めた。 同小学校での新1年生の担任の協力の了解が得られたのは4月2日であったため,1年生担任教諭,ボランティア,ボランティアコーディネーターによる事前打ち合わせと参加ボランティアに対する「新入生支援マニュアル」を使用した事前研修を行ったのは4月4日であった。1年生父兄への本事業説明については,学校長判断により,4月5日入学式にて1年生教諭から行われた。ボランティアの支援活動が開始されたのは4月8日からであり,主にボランティアと子どものやり取りのエピソード収集と,ボランティアに対するインタビューが行われた。クラスの落ち着き具合について担任教諭,ボランティアコーディネーターと相談して,第4週金曜日(26日)にボランティア支援を終了した。 5月9日に1年生担任教諭,ボランティア,ボランティアコーディネーターによる事後打ち合わせ,グループインタビューを行い,事業の課題の洗い出しを行った。現在,観察結果,エピソードの整理,グループインタビューのテープ起こしと分析を順次進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の事業計画の進展状況は,1,地域在住の高齢者を学習支援ボランティアとして活用する上での役割と課題を明らかにし、2,新入生支援ボランティア向けの本事業用の教材の作成を行い,3,パイロットプログラムを実施し,4,グループインタビューによるプログラムの問題点の検討会の実施までが済んでおり,概ね順調である。 教材の作成については,神奈川県横浜市青葉区においてすでに実施されている新入生支援活動の参加者向けの資料を基に本事業用向けに改変して新入生支援マニュアル」を作成した。 パイロットプログラムの実施については,学校長より本年度事業においては,ビデオ撮影や調査用紙を児童や父兄に配布しての調査は避けてほしいとの要望があったため,本年度は直観察によるエピソード収集と高齢者に対する個別インタビューを行った。 1年生担任教諭,ボランティアコーディネーター,高齢者に対するグループインタビューによるプログラムの問題点の検討会については,あらかじめ本申請者が用意した項目について検討を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
教材の作成については本事業実施校の環境と一部異なる箇所や不十分な説明が事業終了後の検討会で明らかとなった。今後,本年度の運用実績に基づき内容を修正し,来年度用に改訂作業を進める。 パイロットプログラムの実施については,調査協力校にて1年生担任が確定するのが4月に入ってからであったことから,その後の打ち合わせやボランティア向けの事業説明,事前研修の実施など短期間で行わざるを得ない状況であった。これは初年度実施であったことが一因であり,来年度事業実施については事業実施確定の基,早い段階で準備を進められると思われる。また,本年度は直観察によるエピソード収集を行うに留めたが,調査項目について来年度に向けて学校長とさらに検討を重ねる予定である。 また,グループインタビューによるプログラムの問題点の検討会において記録された内容の書き起こしを行い今後の課題を明らかにし,来年度事業実施に反映させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画と変更なし。つまり,本年度実施したパイロットプログラムにおいて収集された観察記録,個別とグループに対して行ったインタビューについて,音声データから文字データ化した逐語データに対してテキストマイニング手法による分析を行うためのデータ入力と処理に対する人件費,また,来年度プログラム実施に際しての事前研修会,事業実施に際しての補助要員に対する人件費,および,本年度の研究結果の国内外の研究発表についての旅費が主な研究費の使用予定である。
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Research Products
(1 results)