2013 Fiscal Year Research-status Report
多分割コリメータ呼吸動体連動可変による超非侵襲放射線追跡照射法の実用化研究
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24601001
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
成田 雄一郎 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30311385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑山 佳臣 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20451487)
川口 英夫 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (20587654)
青木 昌彦 弘前大学, 医学部附属病院, 准教授 (70292141)
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Keywords | 国際情報交換 / 次世代高精度放射線治療 / 動体追尾照射 |
Research Abstract |
汎用型リニアック装置を用いたdMLCによる動体追尾照射を次世代の高精度放射線治療システムと位置づけ、その実現に向けた2つの課題を昨年度より継続して実施した。第一に、体内留置金属マーカ無しの状態で撮影された肺がん症例の透視画像からその位置を計測する方法を確立した。本技術はマーカレス動体追尾照射を現実のものとする基盤技術として大きな成果である。第2に、腫瘍位置計測から実際の放射線照射までの時間差を補うため、照射位置の予測技術の開発に対し一定の成果を得た。第3に、動体中の腫瘍に対し、それに連動し駆動している多分割コリメータ(dMLC)により焦点を腫瘍に合わせて放射線を照射する際の、実施の照射精度について4次元動体ファントムおよび模擬腫瘍を用いて、また計測法としては電離箱線量および放射線フィルム法を用いて行い、追尾遅延下での放射線照射に対しその遅延許容値を評価した。この実験は、模擬腫瘍の呼吸動体を動体ファントムにより擬似的に再現して動作させた状態で、かつdMLCの動作もあらかじめ作成しておいてそれらを連動し、放射線を照射して実施したが、既述の透視画像により腫瘍位置を計測し、位置予測をした上で、それに焦点をあてて本来は放射線を照射すべきであるが、現時点でこれらの機能をインストールしたリニアック装置が存在しない。そのため、今後の課題としてはメーカの協力のもと、上記の機能を追加した実機をもって実証試験を実施しなければならないが、今年度中の実現の可能性は現時点で未知数である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
薬事法承認を取得して病院に導入しているリニアック装置は、当初の目的以外の使用あるいはシステム内部の変更ができない。当研究課題が実現しようとしている内容は、リニアック装置の改変を実施することが必須であり、それを既に導入している装置で実施することは実質的に不可能である。今後、更なる研究成果を出すためには、研究目的で導入している装置を借用するなどが必要であり、これが本研究課題達成度の遅れの理由として挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
1.サロゲート動体情報取得に関する検討:体内留置金属マーカを必要としない動体情報取得法と腫瘍動体の相関性についての検討を実施する。その際、健常ボランティアによる四次元CT撮影により、呼吸位相を分割したCT画像を取得する。腫瘍の代わりに肺野内の気管分岐部などのランドマークを腫瘍とし、その動体とサロゲート情報との相関性について評価する。同時にX線透視撮影により、実際の治療の状況下で取得するサロゲート情報との相関性についても評価する。サロゲート情報としては、体外赤外線反射マーカや横隔膜、胸壁の動体などを検討し、より腫瘍動体との相関性の高い情報を取得する方法を検討する。 2.サロゲート動体情報による動体追尾照射実験:体外赤外線反射マーカの動体情報、またIGRT装置による横隔膜(腫瘍が描出可能な場合は腫瘍そのものを)の動体情報を取得した場合の動体追尾精度の評価を行う。評価方法は、金属マーカを用いた場合と同様に行う。その際、ファントムの動体と、サロゲート情報発信基の動体を連動して、同時に駆動する機構を開発し、動体駆動ファントムの動きと連動を図る。しかし、患者腫瘍動体軌跡に基づき駆動する動体駆動ファントムと連動し横隔膜などの振幅運動を実現するための駆動系の改良が必要となる。動体駆動ファントムの3軸の駆動治具の一つからそれと連動するアームを取付け、振幅運動を実現する改良を施す。 3.新システム導入装置による実証試験:透視画像を連続で撮影し取得した腫瘍位置に位置予測を施して、放射線照射位置を連動させうる装置により、本研究課題の実証試験を実施し、実際の放射線照射精度について検討を重ね、ファントム実験により得られている成果と照合し評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ファントム実験で使用する材料に前年度の残りを当てるなどしたため、新規材料費がかからなかった 今年度は残余分を新規材料費あるいは成果発表費に使用する
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Research Products
(4 results)