2014 Fiscal Year Research-status Report
透過型アナライザを用いた極小角X線散乱イメージングの開発
Project/Area Number |
24601011
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
島雄 大介 福島県立医科大学, 先端臨床研究センター, 講師 (20404907)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 放射線 / 散乱イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
高エネルギー加速器研究機構の放射光施設(フォトンファクトリー)における全マシンタイムの削減が今年度においても引き続き実施され、自身に3回配分されると予定していたものが平成26年12月19日〜12月23日の1回のみとなった。来年度からは改善されるとのことだがが、今年度は今後のマシンタイム削減時の対策として、実験室X線を用いた実験環境の整備をおこなった。大強度連続出力が可能なX線発生装置を備える茨城県県立医療大学にX線光学素子を配置する除震台を設置し、極小角X線散乱イメージングに必要なX線光学素子を調整する自動ステージとそのコントローラを整備した。現時点でこのシステムの運転試験は未遂であり、来年度のマシンタイム不足の折に、随時おこなっていく予定である。一方、今年度唯一配分されたマシンタイムでは、昨年度に設計・作製し、動作チェック済みのラウエ型アナライザ(Hollow Type Laue Case Analyzer)を用いてフォトンファクトリーのビームラインBL14にて撮影実験をおこなった。X線入射エネルギーは18 keVとして上記アナライザの回折ビームを利用した。撮影試料としては、自作水槽に入れた水と微小球(直径2μm)の懸濁液、さらにパラフィンに包埋した乳がん標本を用いた。撮影にはX線CCDカメラを用い、ビニングを8×8としたため画素サイズは72μmであった。1試料につき、2パルスステップ(0.02角度秒)で300枚撮影し、1枚当たりの撮影時間は180 msとした。画像処理にはピクセルごとの解析が必要となるため、膨大な計算が必要となる。来年度に購入予定の計算機を用いて随時画像処理を進めていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成26年度に3回配分される予定であったマシンタイムが1回となった。このため、予定していた実験項目が未消化となり、大幅に計画が遅れる事態となっている。ただし、新たに延長申請した高エネルギー加速器研究機構の放射光施設での実験課題が承認されたため、引き続き平成27年度以降もマシンタイムを確保することができた。そのため、本研究課題も補助事業期間延長申請し、承認が獲られたため、引き続きもう1年研究を延長することとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
高エネルギー加速器研究機構の放射光施設での実験課題が延長されたため、平成27年度も引き続き、撮影実験をおこなっていく。また、同時に平成26年度に得られた実験データを用いた画像処理を進め、本研究の総括をおこなう。また、ここ数年のマシンタイム配分の事情に備え、平成26年度までに実験室X線による実験環境を整えてある。不測の事態には、こちらを利用して本研究を総括する予定である。
|
Causes of Carryover |
購入予定していた除震台のサイズを設置スペースの問題で小型のものにしたため、その分の差額が次年度使用額として生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、平成26年度に整備した自動回転ステージの遠隔制御と画像データ処理用の計算機の購入費と成果発表のための旅費に振替える予定である。
|