2015 Fiscal Year Annual Research Report
透過型アナライザを用いた極小角X線散乱イメージングの開発
Project/Area Number |
24601011
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
島雄 大介 北海道科学大学, 保健医療学部, 教授 (20404907)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 放射線 / 散乱イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
高エネルギー加速器研究機構の放射光施設で延長が認められた実験課題において、予定通り3回のマシンタイム(①春、②秋、③冬)が割り当てられ、撮影実験を順調に遂行することができた。このため、前年度に予備として整えた実験室X線による実験環境で代用する必要がなくなった。 マシンタイム①では、本課題である透過型アナライザによる極小角X線散乱イメージングの比較対象として、既存の反射型アナライザによる極小角X線散乱イメージングを行い、パラフィンに包埋された乳がん試料の極小角X線散乱画像を得た。マシンタイム②では、本課題でのX線光学系の最終形として準備した356μm厚平行平板型アナライザのメカノケミカル研磨前での動作チェックを行った結果、十分な視野サイズと安定性を兼ね備えていることが確認できた。前年度までに作製した‘Hollow Type’では、視野サイズが小さいことが問題であったため、最終仕様としてはこの356μm厚平行平板型アナライザを採用することとした。マシンタイム③では、メカノケミカル研磨後の356μm厚平行平板型アナライザを用いて、透過型アナライザによるパラフィンに包埋された乳がん試料の極小角X線散乱イメージングを行い、最終目的となる極小角X線散乱画像を得ることができた。 既存の反射型アナライザで得られた極小角X線散乱画像と、本課題で提案した透過型アナライザにより得られた極小角X線散乱画像を定性的に比較すると、後者で感度の向上が見られる結果となった。これは回折強度曲線の形状(前者では矩形に近く、後者では山形)に起因するとの想定に合致するものであった。 極小角X線散乱画像は屈折コントラスト画像とは異なる機序で画像が生成され、極小角X線散乱の大きい領域を検出することができる。今後は、今回得られた極小角X線散乱画像と病理像との対比によりこのコントラストの実態を検証することが求められる。
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Research Products
(3 results)