2014 Fiscal Year Research-status Report
ポリマーゲル線量計評価のための光断層装置およびシステムの開発
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24601012
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
川村 拓 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (80424050)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ポリマーゲル線量計 / 光断層装置 / レーザー |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度では、前年度試作したポリマーゲル線量計の光断層装置の改良を行い、研究計画時に予定していた光断層システムの製作および初期検討として画像取得を行った。データ取得のために検出器としてフォトダイオード、光源としてHe-Neレーザー、ゲル線量計を固定する器具を準備し、光学実験台上において直線上に配置し位置が安定するよう固定した。ゲル線量計の断層像を得るためには角度ごとのゲル線量計の投影データが必要であるためゲル線量計を固定しつつも回転させる機構を設けた。また回転角度及びゲル線量計走査のための動作及び速度変更をコントローラで遠隔操作できるようにした。また前年度作製した試作機による実験結果から、ゲル線量計を封入する容器の形状に依存して、光の屈折・散乱により光源から線量計を通過した光が検出器に到達できない問題点があることが判明した。解決法として、ゲル線量計を水槽内に設置し、線量計周囲を水で覆うことで容器形状によらない測定が可能となった。加えて光の媒質通過距離が一定になることで安定した測定が可能となった。 検出器に到達したレーザー光を測定し、アナログデジタル変換機を通すことにより投影デジタルデータを取得した。次に画像解析用コンピュータにより、投影デジタルデータをフィルタ補正逆投影法を用いて画像再構成し、ゲル線量計の断面像を取得した。X線未照射のゲル線量計の断面像は内部均一なかつ容器の形状を表現でき、一部をX線照射したゲル線量計の再構成断面像からはゲル線量計内部の照射位置が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ポリマーゲル線量計の光断層装置及び画像取得可能なシステムを構築することができた。しかしながら本事業の遂行とともに現状の問題点も判明し、より良い画像、時間効率の良いシステムを構築するためには、問題点の改善、システムの最適化、効率よいシステムへの開発・移行が必要であり、今後これらのプロセスに取り組む予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ポリマーゲル線量計の光断層装置及び画像取得可能なシステムを構築することができた。今後、問題点の改善、システムの最適化のためのプロセスなどに取り組む予定である。具体的には、単検出器からライセンサへ移行し時間効率を改善したシステムを構築すること、再構成方法の検討によるより良い画質の画像を取得すること、ゲル線量計の角度投影データも含めた収集データ条件の最適化を行うことを考えている。
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Causes of Carryover |
昨年度までに試作した光断層装置をもとに今年度の研究計画として装置改良を行う予定であった。しかしながら、改良の装置を構成する部品の作製について、業者と仕様に関して数度打ち合わせをしてきたが、年度内に依頼する部品の仕様が決定せず、年度内での業者依頼による部品の依頼・発注・納品が困難となったため。 また、打ち合わせ期間における試作機の不具合による作業の遅れも影響している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に業者委託による部品作製を予定している。それ以外にも装置作製・システム構築に関する材料・部品の代金を予定している。今年度も継続して光断層装置の改良やデータ収集最適化のための調査費用も必要であり、出張旅費や学会参加負担金も予定している。そのほか成果報告等に関する原稿執筆にかかる英文校閲費用なども予定している。
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