2014 Fiscal Year Annual Research Report
強度変調陽子線治療のためのフル3次元線量分布測定システムの開発
Project/Area Number |
24601013
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
歳藤 利行 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (30377965)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 強度変調陽子線治療 / シンチレーティングファイバー |
Outline of Annual Research Achievements |
名古屋陽子線治療センターにおいてスポットスキャニング照射のクリニカルコミッショニングが完了した。スポットスキャニング照射用ノズルには頭頸部治療用のオプションとしてエネルギー吸収体とコリメータを装着することが可能である。これにより本研究で必要となる強度変調陽子線治療用のビームを生成することが可能になった。本センターのスキャニング照射装置を中心に、ブロードビーム法を含めた治療装置全体について論文にまとめて投稿した。 ファイバーブロック検出器システムの実臨床での性能試験を行うために、エネルギー吸収体とコリメータを用いたスポットスキャニング照射について模擬プランを作成し、ビーム照射実験、データ収集を行った。回転駆動は治療用ベッドの回転を利用し、3次元線量分布再構成のために-90°から+90°まで10°ごとに検出器の角度を変化させて全19角度での画像収集を行った。 他方、検出器としての性能検証をモンテカルロシミュレーションの手法で行うために、Geant4を使ったシミュレーションプログラムを開発した。エネルギー吸収体とコリメータを含めたスキャニング照射ノズルのジオメトリーの構築と、スキャニング照射用のビーム生成モジュールを作り上げることで、装置として可能な任意のビームパターンについての線量計算ができるようにした。モンテカルロシミュレーションについては実臨床での線量分布計算の検証にも利用し、その結果を日本医学物理学会で発表した。 検出器システムから取得した画像データから3次元線量分布を再構成するアルゴリズムについて検討をすすめ、ファイバー中の減衰の効果を取り入れやすい逐次近似法の一種であるML-EM法をベースとした再構成法を採用することとした。
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