2014 Fiscal Year Annual Research Report
重粒子線がん治療計画を想定した大型の被写体撮影が可能な重粒子線CTの検討
Project/Area Number |
24601015
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
村石 浩 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (00365181)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 秀剛 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (80381424)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 重粒子線治療 / 治療計画 / 断層撮影 / 電子密度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、増感紙-EMCCDによる重粒子線CT手法において、臨床試験(とりわけ頭部放射線がん治療計画)を想定した大型被写体の撮影が可能なシステムを新たに構築し、実際のCT照射実験により最適な撮影条件や撮影画像の分解能について実験的評価を遂行した。方法としては、放射線医学総合研究所(以下、放医研)に設置されたがん治療用重粒子線加速器HIMACによる炭素線ペンシルビームを散乱体で広げ、平行平板電離箱、レンジシフタを通過後、回転型被写体が沈められた水槽に照射し、その背面に設置した増感紙での2次元発光分布をEMCCDカメラで撮影する。まず、Geant4を用いたモンテカルロシミュレーションにより、20cmクラスの大型被写体撮影が可能な炭素線ビームライン、及び製作予定のレンジシフタの設計を行った(H24~)。次に、上述の設計をもとにレンジシフタの製作を行い、レンジシフタ駆動用ステージコントローラの駆動テスト、オンラインプログラムの構築、及び重粒子線CT用頭部脳腫瘍評価ファントムの設計・製作を順次行った(H25~)。以上で準備されたシステムを用いて、H26年度放医研重粒子線がん治療等共同利用研究で獲得した加速器マシーンタイム(2回、各8h)を用いて、実際の炭素線ビームを用いた照射実験を遂行した。1回目(2014.7.3)においては、まず設計された拡大照射ビームを実際に評価し、本CT実験に耐えうることを確認した。2回目(2014.11.22)においては、評価ファントムによるCT実験を遂行した。その結果、本手法において頭部サイズの大型被写体のCT撮影が可能である結果が得られたところである。現在、既に採択済のH27年度加速器マシーンタイムにおいて、製作済の重粒子線CT用頭部脳腫瘍評価ファントムのCT撮影を遂行予定であり、H27年度中に総合評価を完了し、欧文誌へ投稿予定である。
|