2013 Fiscal Year Research-status Report
フレキシブルPET装置開発のための独立型DOI検出器の開発
Project/Area Number |
24601019
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
吉田 英治 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 主任研究員 (50392246)
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Keywords | PET / 検出器 / シミュレーション |
Research Abstract |
PET装置の体軸視野は一般的に約20 cmであり、全身を撮像する際には複数のベッド位置での測定が必要になる。一方、マイクロドーズ試験等においては全身を一括で測定できるPET装置が切望されているが、コスト面等から実現していない。本研究では測定対象部位ごとに体軸視野を可変なPET装置の実現可能性を検討している。昨年度はシミュレーションを元に検討した結果、従来と同程度の量のシンチレータで感度を維持したまま体軸視野を拡張できるだけでなく、測定ごとに最適な体軸視野を設定することで感度の向上が見込めることを示した。本PET装置は体軸視野を拡張した際には長い飛行経路を有し、積層型のDOI検出器を用いることでシンチレータ内での光検出の時間を短縮できることから、Time-of-flight (TOF)情報による性能改善効果が従来のPETよりも期待できる。本年度は単一光子からトリガーが可能なdigital photon counters (PDC)を用いて単層の検出器の試作を行い、性能評価を実施した。十分な結晶位置弁別能と192 psという非常に高い時間分解能を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は人サイズをターゲットしたシンチレータアレイと単一光子からトリガーが可能なdigital photon counters (PDC)を用いて単層の検出器の試作を行い、性能評価を実施した。検出器はLGSOシンチレータを8x8の4層に組み上げたシンチレータブロックと8x8のPDCアレイを光学接続した。同時計数実験の結果から十分な結晶位置弁別能と192 psという非常に高い時間分解能を得ることができた。この値は従来の光分配方式の4層3次元検出器と比べて70 ps低い値であり、独立読み出し方式の3次元検出器が時間計測に有用であるとことを示した。 また、昨年度考案した体軸視野を拡張可能な多層円筒形PET装置の有用性を示す論文が下記学術論文において掲載された。 E. Yoshida, Y. Hirano, H. Tashima, N. Inadama, F. Nishikido, H. Murayama, H. Ito, T. Yamaya, IEEE Trans Nucl Sci 60 (2013) 3227.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は本年度試作した単層の検出器を元に多層化を実施する。また、積層型DOI検出器においては検出器間をまたがるようなガンマ線の相互作用が増加することが予想される。高い空間分解能を維持するためにはどの検出器で始めに相互作用が行われたかの情報が必要になる。同時計数情報及び散乱位置情報を用いて相互作用位置の回復方法の検討を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
検出器の試作を一部次年度にずらしたため。 本年度試作した単層の検出器を元に多層化を実施する。
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