2012 Fiscal Year Research-status Report
IVR用リアルタイム被曝線量位置分布計測システムの開発
Project/Area Number |
24601020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
錦戸 文彦 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (60367117)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 線量計 / IVR |
Research Abstract |
本年度はX検出部の開発を中心に行った。シンチレータはプラスチックシンチレータであるBC400が、取り扱いやX線に対する感度の点でも優れているという結果が得られた。実際のIVR治療に用いられているX線透視装置を用いてX線の透過性の評価を行った結果、約3mm以下のプラスチックシンチレータであればX線撮像装置の邪魔にならないことが示された。 次にX線検出部の試作を複数個行った。円筒型のプラスチックシンチレータを用いたもの、角型のシンチレータ2枚で波長変換ファイバを挟んだもの、1枚の角型プラスチックシンチレータ等を直径1mmのプラスチック光ファイバに取り付け、他方をフォトダイオードに取り付けシンチレーション光の収集を行った。X線検出部分にはシンチレータのカバーや光ファイバの被膜なども含まれれるが、これらもX線撮像装置に対しては透明であることが示された。また、動物用CT装置を用いてX線の線量の測定を行った結果、どの試作X線検出器でも十分に測定することが可能であり、約1秒でのリアルタイム測定を行う事に成功した。検出器の出力は管電流(線量に比例)に対して比例関係が得られており、定量性も十分であることが分った。現在、X線検出器の多チャンネル化を進めている所であり、現在までに3chのX線検出器を用いたリアルタイム測定実験を行っており、大まかな線量の位置分布を得ることに成功している。今後は更に検出器の数を増やし、治療現場で用いられているX線撮像装置でも十分な性能が得られるかどうかのテストを行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の主な目的は最適な検出器の選定であり、候補となる3種類の方式を用いその組立方法の検討や性能の評価を行った。今後使用する検出器の手法や組立方法の決定は済んでいるためハードウェアの開発は十分な進捗であると言える。加えて3chであるが複数チャンネルでの測定も成功しているため、研究の達成度としては順調であると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は素子の多チャンネル化と、実際のX線診断装置を用いたリアルタイム線量測定に夜評価を進める予定である。 (a)多チャンネルシステムの作製 24年度中に最も優れた結果を得られた構成の検出器を多数個用いて、リアルタイム被曝線量位置分布計測装置の制作を行う。ここで多数の検出器を効率良く頭部装着具へ固定する方法の検討も行う。また、リアルタイムに線量が表示可能なように、前年度の開発した校正法を用いた計算ソフトやリアルタイム画像表示ソフトの開発も行う。 (b)X線診断装置を用いたリアルタイム線量測定 制作したリアルタイム線量計測装置を用いて実際の治療装置下で実験を行い、リアルタイムに線量のモニタが可能であることを実証する。実験は虎ノ門病院のX線撮像装置を用いて行い、頭部を模擬したファントム上に検出器を装着し測定する。また、PRLD素子等の従来の線量計を用いた場合との比較を行い、装置の定量性の評価も行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度の良さなは昨年度決定したX線検出器を多数個作成するために使用する。X線検出器はもとより増幅回路の多チャンネル化や、多チャンネル用のデータ収集用の装置の購入も行う予定である。
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