2013 Fiscal Year Research-status Report
共生社会構築のための比較立法政策論的・学際的研究―社会保障制度研究を中心に
Project/Area Number |
24602001
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
辻村 みよ子 明治大学, 法務研究科, 教授 (30158381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沢 真理 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (50143524)
嵩 さやか 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (00302646)
戸澤 英典 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (20335326)
佐々木 弘通 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (70257161)
中林 暁生 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (70312535)
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Keywords | 社会保障 / 家族 / 社会政策 / 社会保険制度 |
Research Abstract |
平成13年度の研究成果は下記のとおりである。 研究代表者の辻村は、ジェンダー法学・憲法学の視点から「憲法と家族」について検討を行い女性法律家協会主催連続講演会で講演するとともに、フランスの家族政策を中心に調査し、社会保障と家族問題を含む人権論の概説書等を刊行した。 研究分担者の大沢は、社会保障制度を中核とする生活保障システムのガバナンスにつき一定の見解をまとめ、韓国ジェンダー法学会の招待講演(9月)、オタワ大学での学術集会(14年2月)などで貴重なフィードバックを得た。嵩は、社会保障(とりわけ社会保険)の理念的基礎となる連帯や社会正義の観念についてフランス法における議論を検討するとともに、日本の社会保障法における民法等の私法秩序の位置づけと機能について分析した。 戸澤は、2013年9月のドイツ連邦議会選挙に際して現地でこれをウォッチし、各政党や有力政治家の移民に関する議論をあとづけ、ドイツ社会における論調の変化を分析した。 佐々木は、国民皆保険制度を5対4の僅差で合憲とした2012年6月のアメリカ最高裁判決を研究した。最高裁内部の対抗は主に、連邦制における中央政府の権限範囲をめぐって生じている点を解明した。中林は、アメリカ合衆国におけるアファーマティヴ・アクションについての研究を行った。具体的には、規制と給付の二分論とアファーマティヴ・アクションとの関係についての研究を行った。その成果の一部は、論稿「規制と給付の二分論とアファーマティヴ・アクションとの関係についての覚書」として公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者および研究分担者のそれぞれが研究課題を真摯に遂行している。今後は全体として研究の総括を行い共同研究としての成果を公表する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に当たり、各メンバーがそれぞれ研究をまとめると同時に、全体として成果を刊行するなどの予定を立てる。 研究代表者の辻村は、2014年6月にフランスとノルウェーに出張する機会に諸国の家族政策を中心に調査・資料収集を行い、共著書等に成果を公表すべく研究を総括する。 大沢は、同年6月にトリノで家族主義的福祉国家(南欧諸国および日韓)に関する比較分析ワークショップを共同主催し報告を行う。社会保障制度を中核とする生活保障システムの民主的ガバナンスにつき、知見を総合する。嵩は、ひきつづき社会保障を基礎づける連帯等の理念について比較法(特にフランス法)に基づいて研究し、異なるリスクを抱える者の共生を実現するための社会保障制度のあり方について検討する。 戸澤は、同年5月のヨーロッパ議会選挙でのEU各国の選挙戦とその結果をウォッチする。2014年はEU政治の節目となる年であり、現バローゾ欧州委員会での社会政策の変容を振り返り、2015年以降の新しい欧州委員会での政策オプションを検討する作業を行う。 佐々木は、2012年6月のアメリカ最高裁判決に関するアメリカ学説の研究を行う。その上で、社会保障制度設計に関する日本の憲法論との接合を試みる。中林は、社会保障などの給付についての研究とアファーマティヴ・アクションについての研究をアメリカ合衆国における規制と給付の二分論についての研究と関係づけながら行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者辻村みよ子が予定していた海外調査を2014年11月の入院により断念したほか、海外出張計画が変更になったため。 研究代表者辻村みよ子および研究分担者(大沢・戸沢)の海外出張旅費のほか、図書費、国内旅費として使用する。
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[Presentation] 憲法と家族2013
Author(s)
辻村みよ子
Organizer
日本女性法律家協会
Place of Presentation
日本弁護士会館・日比谷図書館
Year and Date
20131122-20140327
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[Book] 改憲の何が問題か2013
Author(s)
佐々木弘通(奥平康弘=愛敬浩二=青井未帆編)
Total Pages
264+xvi(分担133-149頁)
Publisher
岩波書店
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