2012 Fiscal Year Research-status Report
スポーツ・プログラムがもたらす社会的排除の抑制効果に関する研究
Project/Area Number |
24602004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
小林 勉 中央大学, 総合政策学部, 准教授 (20334873)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | スポーツ / 社会的包摂 / 開発 |
Research Abstract |
社会的排除への取り組みにおいて、世界各地で新たに台頭してきた「開発を後押しするためのスポーツ(Sport for Development)」の動向を焦点化しながら、スポーツ援助をめぐる国際的な動きについて以下の点を明らかにすることができた。①スポーツを通じた開発の歴史:19世紀後半のイギリスや20世紀初頭のアメリカでの萌芽、②本格的な関心の波が押し寄せた21世紀初頭の諸アクターの動向、③現在展開される「開発を後押しするためのスポーツ(Sport for Development)」プロジェクトの領域と活動形態 またケニアに渡航し、実際の「開発を後押しするためのスポーツ(Sport for Development)」プロジェクトについての参与観察を実施し、以下の4点について明らかにすることができた。①ケニア社会における社会的包摂の問題の「政治的次元」での実相:独立運動後の政権の軌跡と現在の国家開発の実情、②ケニア社会における社会的包摂の問題の「社会的次元」での実相:セルフヘルプグループの特徴と発展経緯、③ケニア社会における社会的包摂の問題の「経済的次元」での実相:ハランベーという相互扶助組織にみる互恵社会の実際、④貧困社会に生きる若者たちを結びつける装置としてのスポーツの実相:外部からの援助を誘因する現地の人々の生活戦略とスポーツとの接点 以上の成果を踏まえ、近日中に、その研究成果を学会誌への投稿する予定であり、それが公刊されれば、日本における「開発を後押しするためのスポーツ(Sport for Development)」の研究が大きく前進するものと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究や各国際機関の文書が、比較的順調に入手することができ、現地でのネットワークを有効に活用することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、研究活動を遂行していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画通り、研究費を執行していく予定である。
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Research Products
(2 results)