2014 Fiscal Year Annual Research Report
要素集積における都市の地区イメージデザイン手法に関する研究
Project/Area Number |
24603005
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
福井 恒明 法政大学, デザイン工学部, 教授 (40323513)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | かいわい / イメージ / 印象 / まちづくり / グレイン論 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度については次のような成果を得た. 1.イメージ形成に寄与する構成要素の調査と分布データの拡充:パブリックイメージをすでに持つ地区として,秋葉原・神保町・築地・合羽橋・巣鴨を対象として構成要素の調査を行った.これまでの研究では,商店や施設等の固定された要素に着目していたが,パブリックイメージがそうした物的要素のみならず,人の活動によっても形成されている可能性に着目し,自転車に取り付けたビデオカメラを用いて路上の状況を撮影し,これをもとに地区内の歩行者分布についてGIS上に展開した.これらからパブリックイメージを持つ地区の要素分布・歩行者分布について,それぞれの特徴を定量的に分析・考察した.さらに,スペースシンタックス理論における街路網のステップデプス概念(街路が表通りからどれだけ奥まっているかを取り扱う)を用い,対象地区の特徴について考察を行った. 2.現地回遊実験による地区イメージ形成過程の特徴考察:回遊時の条件の違いによる地区イメージの違いを考察するために,神保町地区を対象に,現地でまちあるきする状況を再現する室内実験を実施し,歩行経路と歩行時のイメージ形成の関係について考察し,イメージ形成が体験した経路の前後関係(はじめに見たか,後に見たか)にはあまり影響を受けないことなどを確認した. 研究期間全体としては,学生街・骨董街・古書店街・問屋街といった多様なパブリックイメージを持つ地区に対して,施設ならびに歩行者分布をデータ化し,パブリックイメージを持つ地区の相対的比較を行い,その特徴を明らかにしたこと,パブリックイメージの形成過程について,基礎的な実験を行い,地区のパブリックイメージ形成は短期的な時間と関係がない傾向があることを確認した. 今後,地区イメージが形成される場合の要素の分布・配置条件について,より詳細な検討を続ける予定である.
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Research Products
(6 results)